同期会が“憂鬱”なあなたへ:常見陽平のサラリーマン研究所(1/2 ページ)
この年齢(40代)になると同期会がツラいという人たちが一定数いる。そう、同期会とは、格差が可視化される場でもあるだからだ。
2017年も、もうすぐ終わりだ。忘年会・新年会シーズンである。Facebookなどを見ていると、宴会の様子がアップされていたりする。コンプライアンスが厳しくなっているが故に、「宴会芸」の様子などはあまり見かけないが。
他人の会社とはいえ、宴会の様子などを見ると、嫌な思い出ばかりがよみがえってしまう。そう、会社員時代、特に20年前のリクルートでの新人時代の宴会は、嫌な思い出だらけだったのだ。
営業の締め日が近いのに場所取りだけでなく、東急ハンズに行って宴会芸グッズを準備し、会議室で練習した日々のことを思い出す。
当時は、コンプライアンスなんて考えも薄かった。家からマットを持ち出して同期とプロレスを実演する、援助交際に励む女子高生のパパ役を演じる、全身にポケットベルを付けて一斉に鳴らす、Tバック一丁でカラオケボックスに入りみんなから吹き矢で撃たれる、お笑い芸人の江頭2:50のマネをして三点倒立をするなど、いま思うと本当にバカなことをやってきた。
あの地獄の日々から比べると、Facebookにアップされている忘年会・新年会の光景は、平和に見える。やっぱり平和が一番だと思った次第だ。
それはそうと、この忘年会・新年会シーズンは、同期会シーズンでもある。最初に入った会社や、高校・大学の同期が集まるのだ。
小生、43歳、中年。私は、同期会は楽しく参加している方だが、この年齢になると同期会がツラいという人たちが一定数いる。そう、同期会とは、格差が可視化される場でもあるからだ。
いや、いきなり訂正しよう。同期会に来ている段階で、それなりに勝ち組だ。というのも、同期会にやって来るのは愛社精神・愛校心があること、今の自分に自信があること、一次会の会費を払えること、家庭が安定していること、健康であること――などの条件を満たしていないと参加できないからだ。だから、まず、同期会に来れるか否かで差があるのだ。
また、同期会に来れたところで妙な競争が生まれてしまう。例えば、名刺ジャンケン(有名企業の名刺をどのくらい持っているかを競うゲーム)だ。当時は有名企業とどのくらいの名刺交換できたのかが、出世競争に直結していた時代だった。
会社の同期会はもちろんだが、大学や高校の同期会でも、勤務先が一緒で出世の差がついているということがある。上司と部下で同期会というパターンだ。なかなか世知辛い。そのときの周囲の気遣いもまた痛い。この手の同期会の写真を見ると辛くなってしまう。
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