同期会が“憂鬱”なあなたへ:常見陽平のサラリーマン研究所(2/2 ページ)
この年齢(40代)になると同期会がツラいという人たちが一定数いる。そう、同期会とは、格差が可視化される場でもあるだからだ。
同期会を楽しむためには?
中学、高校の同期会でビビらないためには、就活生のように会社四季報などで、参加者の勤務先のことを調べておくのも手だ。平均年収などはもちろん押さえる。最近のトピックスもニュースサイトなどでチェックしておこう。
事前に相手の勤務先のことを調べておくと、有名企業の割には年収が低いとか、この会社の部長は世間でいう課長クラスだとか、負の面も分かってくる。
やや余談だが、最近の就活生のOB・OG訪問は、怖い。売り手市場とはいえ、学生はのんびりしているわけではない。ガチな学生ほど、事前準備をしっかりしてからOB・OG訪問に臨む。「大変失礼ですが、この経営課題への取り組みは、どうなってますか?」など、ガチ質問が来る。この怖い学生のように切り込んでいけばいい。あくまで、余裕を持つためである。
もう1つの手は「ひたすら優しくする」だ。とにかく、誰でも参加しやすくする。その際の鉄板アイテムは、アルバムなどの懐かしアイテムを持ち込むことだ。これなら無難に話せる。「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」などを持ち込み、宴会場やカラオケのモニターにつなぐのもありだ。平和に盛り上げることができる。
ここまで読んで引いた人もいるだろう。安心してほしい。私も引くレベルだ。真面目に答えると、懐かしい話や傷をなめ合う話も結構だが、ポジティブな話をするのが一番だ。最近の勤め先の事情で、できるだけポジティブなトピックス、参考になる話を聞いてみよう。
私は今年、何度か同期会のような宴に参加した。働き方改革の矛盾を誰もが感じていること、出版業界が本格的に厳しくなっていることを再確認でき、有益だった。このように、テーマを持って参加することをオススメする。ネクタイをハチマキにしている場合じゃない。
常見陽平のプロフィール:
1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。
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