いま“逆求人型”の就活が必要とされるワケ(1/3 ページ)
いま“逆求人型”の就活が盛り上がりを見せている――。就活定番のイベントといえば合同企業説明会、いわゆるゴウセツ。しかしいま、こうした従来の就活スタイルを変える新しい風も吹き始めているという……。
2017年卒業予定の大学生(大学院生)を対象とした就職活動(就活)における企業へのエントリーが解禁されてから、もうすぐ1カ月が経過しようとしている。会社説明会に足を運ぶなど、学生も徐々に忙しくなってきた時期だと思う。
就活定番のイベントといえば、複数の企業が展示会場などに集まって事業説明やPRなどを行う合同企業説明会、いわゆるゴウセツだ。例年通り、今年も東京ビッグサイトや幕張メッセなどで開催されており、多くの学生が参加している。
ゴウセツに参加する理由は人それぞれだと思うが、その多くは、さまざまな企業のブースを見て回るなかで、自分が働きたいと思える企業を見つけ出すことにあるだろう。そこで興味ある企業を見つけたら、エントリーをして採用選考を受けていくのだ。
しかしいま、こうした従来の就活スタイルを変える新しい風も吹き始めている。それが“逆求人型”の就活だ。学生側が興味ある企業にエントリーをするのではなく、企業が興味ある学生に対してオファーをするというものだ。
ここ最近、「JOBRASS(ジョブラス)新卒」や「OfferBox(オファーボックス)」など逆求人型の就活サイトが増えてきた。2015年にジョブラスに登録した学生は約9万人、企業は約1000社にまで拡大している。ベンチャー企業から大手企業まで、さまざまな企業がこの逆求人型就活サイトを活用し始めている。
また、Web上だけでなく、リアルの場で企業と学生のマッチングを図る逆求人型の就活イベントも開催されている。その1つが、採用支援などを手掛けるジースタイラスが3月21日に第一ホテル両国(墨田区)で開催したITエンジニア向けの逆求人イベント「逆求人フェスティバル」だ。
本イベントでは、学生が企業に対して、在学中に作った成果物についてや、自身のスキル、入社後に取り組みたいことなどをプレゼンする。その後は、企業側も自社について説明するなどしてお互いに紹介し合う。
こうして企業は複数の学生のプレゼンを見て回り、学生とやりとりするなかで、興味をもった学生に選考オファーを出したり、ときにはその場で内定を出したりするのだ。イベント自体はマッチングの場を提供するものであり、その後のステップは企業に任せている。
いま、盛り上がりつつある逆求人型の就活――。それは、学生と企業のどんな課題を解決してくれるだろうか。10年以上前から全国で先駆けて逆求人型の就活イベントを展開してきたジースタイラスの担当者に話を聞いてみた。
関連記事
- 大学生の就職内定率、12月時点で80.4% 5年連続の改善でリーマン前の高水準に
大学生の就職内定率は5年連続で改善し、リーマン・ショック前とほぼ同水準となった。 - 「2年前のままで良かった」学生困惑 経団連、採用選考解禁を6月に前倒し
経団連は、現在大学3年生の採用選考の解禁時期を2カ月前倒しの6月にする方針を発表した。 - 92.5%の大学生が内定を獲得――入社後は?
2016年3月卒業予定で、民間企業への就職を希望している大学4年生・大学院2年生の92.5%(1月15日現在)が、内定を獲得していることが、アイデムの調査で分かった。 - 就活が大学生活の妨げになる本当の理由
今シーズン、日本経団連が就職活動の開始時期を遅らせたが、うまくいかなかった。また就活スケジュールの変更が議論されるだろうが、何十年も前の就職協定の時代から振り返ってみれば明らかなように、時期をどうにかすれば解決する問題ではないのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.