全米最悪クラスの空港の「類を見ない変貌」とは:来週話題になるハナシ(2/4 ページ)
ロサンゼルス国際空港が大きく変わろうとしている。空港内には、8つのターミナルと国際線専用のターミナルがあり、2016年は前年比8%増となる約8100万人もの乗客が利用した。世界第4位の空港がどのように変わるかというと……。
前代未聞の大規模なターミナル変更
17年5月、ロサンゼルス国際空港を利用する航空会社全体の約3分の1となる21社のターミナルを大シャッフルして移動させ、前代未聞の大規模なターミナル変更を行った。
特に大掛かりだったのが、デルタ航空のターミナル移動だ。第5、第6ターミナルから、ターミナルへ大規模な移動を行った。ロサンゼルス国際空港のターミナルは、Uの字に配置されているため、位置的には南側から北側への引っ越しとなった。
この移動で、ロサンゼルス国際空港で飛行機のフライト数が最も多いアメリカン航空とデルタ航空のターミナルが離れることになり、トラフィックのバランスが非常によくなったという。
また、ターミナルのシャッフルにより、デルタ航空はこれまでの16カ所だった搭乗ゲートが増えることになり、合計で23カ所での搭乗が可能になった。これにより、混雑の緩和やフライトの増便にも対応が可能になる。
デルタ航空は、今後7年間で19億ドルを投じ、ターミナルのさらなる改装工事も実施する予定だ。国際線ターミナルとも連結する予定で、乗り継ぎがスムーズになり、かなり便利になるという。
第4、第5ターミナルを使用するアメリカン航空も、16億ドルをかけてターミナルをアップグレードさせる。チェックイン設備の改善、2つのターミナル間の移動をスムーズにさせるほか、セキュリティチェックを1カ所にまとめる計画だ。
現在、ロサンゼルス国際空港を離陸するアメリカン航空のフライト数は、1日に約200便にもなる。それでも、同社はアグレッシブに新たな就航先を拡大しているため、ターミナルのアップグレードは必須となる。もちろん、就航先が増えれば増えるほど、ロサンゼルスは便利な空港になる。
アメリカン航空は、直近の18カ月で24カ所も就航先を増やしていて、17年11月にはロサンゼルスと北京を結ぶ直行便の運航も開始した。同社はアジア路線を強化しているため、今後、他社とのシェア争いが一層ヒートアップしそうだ。
関連記事
- なぜコストコはグーグルよりも魅力的な職場なのか
「大量に買いたいから」「安いから」といった理由で、コストコで買い物をしたことがある人も多いのでは。会員制、低価格、大量買いといったビジネスモデルで店舗数が増えているが、本場の米国では単なる激安店以外によく知られていることがある。それは……。 - ホイッスルで世界に立ち向かう、「小さな会社」の勝算
さまざまなスポーツで使われているホイッスル(笛)は、どこのメーカーがつくっているのかをご存じだろうか。最大手は、英国のアクメ社。豪華客船タイタニックが沈むときに、乗員たちが持っていたのが、アクメ社のホイッスルだ。そんなホイッスル市場に、日本の小さな会社が挑もうとしている。 - カプセルホテルに似たホテルが、地方を再生させるかもしれない
カプセルホテルのようで、カプセルホテルでない。そんな宿泊施設が全国で増えているのをご存じだろうか。その名は「ファーストキャビン」。全店の平均稼働率が90%を超えているホテルは、どのような特徴があるのか。 - 飛行機に“最後に乗る”のはどんな人か 羽田空港を分析
飛行機に乗るとき「できれば早く乗りたい」という人もいれば、「できれば最後に乗りたい」という人もいる。搭乗口で最後に手続きを済ませているのはどのような人なのか。羽田空港で飛行機の遅延分析をされている、JALの担当者に話を聞いたところ……。 - なぜコストコはグーグルよりも魅力的な職場なのか
「大量に買いたいから」「安いから」といった理由で、コストコで買い物をしたことがある人も多いのでは。会員制、低価格、大量買いといったビジネスモデルで店舗数が増えているが、本場の米国では単なる激安店以外によく知られていることがある。それは……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.