2018年の宇宙ビジネスはこう動く!:宇宙ビジネスの新潮流(2/4 ページ)
この年末年始も宇宙関連のビッグニュースが続いている。ますます勢いが増す宇宙ビジネス業界の2018年を展望したい。
超大型ロケット「ファルコンヘビー」の打ち上げは?
世界的な宇宙ベンチャー企業の存在感は18年も健在だ。
国際宇宙ステーションへの物資輸送を大型ロケット「ファルコン9」と宇宙船「ドラゴン」で行った米SpaceXが開発を進めてきた超大型ロケット「ファルコンヘビー」の初打ち上げが1月末に予定されている。同ロケットは、将来的な有人輸送も視野に入っており、同じく大型ロケットの代表格と言える「デルタ4ヘビー」の2倍以上の打ち上げ能力を3分の1の低コストで実現すると同社は語る。
その第1段ブースターにはファルコン9のエンジンコアが3つ使われており、計27個のマーリンエンジンより構成される。既にファルコン9では打ち上げ後の第1段ブースターの着陸と再利用に成功している同社だが、ファルコンヘビーでも3つの第1段ブースターをすべて地上に着陸させて再利用する予定だ。今回の初打ち上げが成功するか見守りたい。
小型ロケットの開発、抜け出すのは?
小型衛星専用の打ち上げロケットとして期待される小型ロケットは、新世代小型ロケット開発企画株式会社(キヤノン電子、IHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行によるジョイントベンチャー)、堀江貴文氏が創業したインターステラテクノロジズの日本勢に加えて、米Rocket Lab、米Virgin Orbit、米Vector spaceなど世界で5〜6社がしのぎを削って開発を続けている。
今年前半は実証実験が目白押しだ。昨年末に予定されていたJAXAのSS-520 5号機による超小型衛星打ち上げ実証実験は今年に延期されており、インターステラテクノロジズも観測ロケットMOMO2号機の実証実験を昨年に続いて計画する。海外勢ではRocket Labも昨年末予定されていた実証実験を今年に延期した。
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