大人たちによって作り上げられた“ポスト真央”、本田真凛の悲劇:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
オトナたちによって作り上げられた「悲劇のスター候補」だったのかもしれない。女子フィギュアスケートの本田真凛のことだ。期待されていた韓国・平昌五輪の代表入りを逃してしまったことで、今後の彼女はどうなる?
メディアも持ち上げ過ぎ
日本の女子フィギュアで韓国・平昌五輪に出場できるのはわずか2枠。昨年秋の時点で、上々のシニアデビューを果たした本田が平昌行きのプラチナチケットをほぼ手中に収めたかのような論調で報じるメディアも少なくなかった。
それまでの周囲の盛り上がりも、スター街道をばく進するかのような勢いだった。日本航空(JAL)やプリンスホテルなどの大手企業とスポンサー契約を締結。特にジュニア時代の16年12月、JALとのスポンサー契約発表の会見場にCAの制服姿で登場し「かわいい」と話題を振りまいたことは記憶に新しいだろう。
そのすぐ後に行われた全日本選手権終了直後のオールジャパンメダリスト・オン・アイス2016では、まさかのCA風衣装で氷上を華麗に舞った。生粋のフィギュアファンからは戸惑いの声も上がったが、オジサンを中心とした世の男性はすっかりメロメロ。若いながらも話題とノリの良さを見せつけ、人気を確立していくと注目度はぐんぐん高まっていった。
シャープのテレビ「AQUOS 4K」やロッテの「ガーナアイス」、そして読売新聞社のCMには同じフィギュアスケーターでタレントの望結と紗来の2人の妹とともに「アンバサダー」として登場し、昨年10月には大手化粧品メーカーのコーセーとも広告契約を結んだ。物怖じせずメディアに出ることもちゅうちょしない性格であることからメディア受けも非常に良く、テレビ各局からも番組出演のオファーが次々と舞い込んで引っ張りダコとなっていた。
スポンサー契約やCM・広告契約を締結した各企業が本田の平昌五輪出場とメダル奪取による相乗効果を狙っていたことは言うまでもない。メディアも同様だ。特にテレビ局の中には本田が平昌五輪で国民的スターの座を手中に収めると見越して早くから密着ドキュメンタリーの制作に入り、番組放映で視聴率を稼ぐことはもちろん、本人との関係性も深めておこうと考えた局もあった。例えて挙げれば、昨年12月16日に『アスリートの魂「16歳“真のアスリート”へ フィギュアスケート・本田真凜』を放映したNHKと同年大晦日に『本田真凜 涙の奥に〜夢追う軌跡に密着1265日〜』を放映した関西テレビだ。
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