大人たちによって作り上げられた“ポスト真央”、本田真凛の悲劇:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
オトナたちによって作り上げられた「悲劇のスター候補」だったのかもしれない。女子フィギュアスケートの本田真凛のことだ。期待されていた韓国・平昌五輪の代表入りを逃してしまったことで、今後の彼女はどうなる?
関係者たちのショックは大きい
しかしながら本田は前記したように昨年の全日本選手権で惨敗し、平昌五輪代表の座も消滅。代表落選後の放映となった関西テレビは本来であれば本田の「悲しみの涙」ではなく「喜びの涙」にまつわるドキュメンタリー番組としたかっただけに「大晦日の目玉として用意していたが、当日は現場スタッフを中心に局内全体が深いため息に包まれていた」(同局関係者)というのもあながち大げさな表現ではないのだろう。ちなみに事情通はこうも打ち明け、補足している。
「アイドルのようなルックスを誇る本田が“ポスト真央”となって平昌五輪に出てくれれば日本の女子フィギュアは大きく盛り上がり、スター不在の空洞化を避けられる。彼女の周りに擦り寄る人間はそう考えていた。平昌五輪でフィギュアを中継する局も含め各テレビ局は当然、数字(視聴率)が欲しかったのだ。だが、その狙いもご破算になってしまったことで本田をプッシュしていたテレビ局関係者たちのショックは相当に大きい。
それはスポンサー、CM・広告契約を結んだ企業もまったく同じだ。すべての企業の契約料など諸々を合わせれば総額で数千万円、いや億単位のカネが動いたとも言われているから支払った側は本田の五輪出場が消えた瞬間、社内全体が凍りついたと聞く。
ある企業では年末にもかかわらず関係者数人がトップに呼び出されて“事情聴取”を受け、てん末を聞かされた挙句に始末書を書かされたとか。それぐらいならばまだよくて、別の企業からは本田との契約に携わった関係者が『飛ばされてしまった』とのウワサまで聞こえてきている」
それでも本田への先行投資に失敗した関係者たちは間違っても本人を責めてはいけない。これまでの本田フィーバーについて女子フィギュア関係者の間からは「必要以上に周りが煽り過ぎ」との指摘がたびたび出ていた。つまり、そこまでのレベルに達していない可能性が高いのに本田を“ポスト真央”に仕立て上げ、まるで平昌五輪出場が規定路線であるかのごとく持ち上げ続けていた彼ら自身に責任があるのだ。簡単に言ってしまえば、フライングである。
関連記事
- 松坂大輔に忍び寄る「無職」という肩書き
松坂大輔投手が福岡ソフトバンクホークスを退団した。本人は現役を続ける意向のようだが、いまのところ彼にラブコールを送る球団はない。このままではかつての怪物が「無職」になってしまうかもしれない。 - なぜ日本のおじさんは、貴乃花親方にイラついてしまうのか
貴乃花親方が「おじさん」から叩かれている。「理事のくせに協会に協力しないのは組織人失格」「改革したいからって、飲み屋のケンカを大騒ぎしすぎだ」といった主張を聞いていると、筆者の窪田氏は「何かに似ているな」と感じたという。それが何かというと……。 - 「石原さとみの眉が細くなったら日本は危ない」は本当か
女優・石原さとみさんの眉がどんどん細くなっている。彼女のファンからは「そんなのどーでもいいことでしょ」といった声が飛んできそうだが、筆者の窪田さんは「日本経済にとって深刻な事態」という。なぜなら……。 - 「着物業界」が衰退したのはなぜか? 「伝統と書いてボッタクリと読む」世界
訪日観光客の間で「着物」がブームとなっている。売り上げが低迷している着物業界にとっては千載一遇かもしれないが、浮かれていられない「不都合な真実」があるのではないだろうか。それは……。 - なぜ地図で「浅草寺」を真ん中にしてはいけないのか
地図を作成している編集者に、2枚の地図を見せてもらった。1枚は浅草寺が真ん中に位置していて、もう1枚は浅草寺が北のほうにある。さて、実際に地図に掲載されているのは、どちらなのか。答えを聞いたところ、予想外の結果に!?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.