福島県郡山市は1月18〜19日の2日間、インターネット大手のヤフー本社の社員食堂で同市の名産である鯉を使ったランチメニューを提供する。同市は養殖鯉の生産量が全国市町村でトップ(関連記事:市役所に「鯉係」も 郡山が鯉の普及に躍起になる理由)。
販売するのは「恋する鯉丼」(680円)と「鯉のあらい」(300円)。鯉丼は、郡山産米「あさか舞」に、郡山さくら鯉や御前人参、めんげ芋、ジャンボなめこ、大葉という地元産の野菜を使った天丼で、両日ともに限定300食。
併せて食堂内で「ままどおる」や「柏屋薄皮饅頭」などの特産品も販売する。
郡山市の品川萬里市長は市役所に「鯉係」を作るなど、鯉を積極的に推進する。「郡山の産業として成長させるだけでなく、遠洋・沖合漁業が低迷する中、鯉を広く普及させることで養殖の可能性を伝えたい」と品川市長は話す。
県南鯉養殖漁業協同組合の熊田純幸組合長は「県外ではいまだ福島に対する風評被害が大きいが、それに打ち勝って鯉を全国に売っていきたい」と意気込む。
今回の取り組みはヤフーが実施する東日本大震災の復興支援の一環。これまでにも東北地方の複数の自治体が同様のイベントを行っている。
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