なぜ女子中高生は「韓国カルチャー」にハマったのか:スピン経済の歩き方(4/5 ページ)
「10代の若い女性を中心に『韓流ブーム』が起きつつある」というニュースが話題になっている。「本当なの?」「自分の周りにそんな人はいない」と思われたかもしれないが、なぜ日本の女子中高生は韓国カルチャーにハマったのか。その裏には……。
女子中高生への徹底的な訴求
このような大逆風のなかで、少しでも韓国に観光客を呼び込もうとすればどうすればいいのか。いまの「嫌韓」で冷え切った客を狙うよりも、これから観光に来てくれそうな若年層に狙いを定めて、徹底的にマーケティングを行う、という戦略にシフトしていくのは容易に想像できよう。
そのなかでも、重点ターゲットとなるのは間違いなく「若い女性」だ。
平成29年10月に政府が行った「外交に関する世論調査」が分かりやすい。ここで韓国に対して「親しみを感じる」と回答したのは、男性が32.2%となっているのに対して、女性は42.3%と多い。また年齢別で見て興味深いのは、18歳〜29歳の50.6%が「親しみを感じる」と回答していることだ。
日本の女性は若ければ若いほど韓国に親しみを感じる――。この事実を前にしたらやるべきことはひとつしかない。女子中高生への徹底的な訴求だ。では、そこでフックとなるのがなにかと考えれば、ティーンの関心事である、「ファッション」「メイク」「SNS」「ダンス」を活用するのが最も得策だ。TWICEやBLACKPINKという韓流ガールズグループのプロモーションにはこれらの要素がしっかりと盛り込まれているのだ。
例えば、ネットで女子高生が絶対に買うべきアイテムとして「エチュードハウス」という韓国コスメがある。
これは実は、韓国トップの化粧品メーカー「アモーレパシフィックグループ」の化粧品だ。日本でいえば、資生堂くらいのこのビックネームは、韓国カルチャーの輸出に余念がない。例えば、『中央日報』(2015年7月23日)によると、アモーレパシフィックグループの徐慶培(ソ・ギョンベ)会長(52)が中国の観光客を増やし、Kビューティーを訴求するために、海外のオピニオンリーダー200人を韓国に招いて、韓国の美しさや安全性をPRするツアーを開始したという。
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