なぜ女子中高生は「韓国カルチャー」にハマったのか:スピン経済の歩き方(3/5 ページ)
「10代の若い女性を中心に『韓流ブーム』が起きつつある」というニュースが話題になっている。「本当なの?」「自分の周りにそんな人はいない」と思われたかもしれないが、なぜ日本の女子中高生は韓国カルチャーにハマったのか。その裏には……。
緻密に計算された戦略の結果
そこで気になるのは、なぜイケてる女子中高生はこんなにも韓国カルチャーにハマってしまったのか。椎木さんは以下のように分析をされている。
『若い子たちは、韓国に対しての先入観がないというか、そもそも歴史について気にもしていません。素直に「カワイイ」「カッコイイ」と受け入れるからだと思います。あと、化粧品などでいうと、お手頃価格で若い女性が手を出しやすいというのもあるでしょう』(スポーツ報知 2018年1月13日)
なるほどな、と関心をする方もいらっしゃるかもしれないが、個人的にはこのあたりはちょっと違うのではないかと思う。
彼女の言葉だと、「嫌韓」やらのイデオロギーで目が曇っていないから韓国カルチャーを素直に評価できた、みたいに読めるが、日本の女子中高生と韓国カルチャーの関係性を鑑みれば、韓国側が緻密に計算したマーケティングの成果である可能性が極めて高いからだ。
ご存じのように女子中高生の熱量と対照的に今、日韓関係はガッツリと冷え込んでいる。それを象徴するのが、観光だ。
韓国へ旅行する日本人観光客はヨン様ブームの時代から大きく落ち込み続けており、昨年10月には17万9000人と、前年同月比マイナス20%とすさまじい落ち込み具合だった。
この韓国離れは、本来ならば近隣諸国からの観光客で大いに盛り上がるはずの国際イベントでも食い止めることはできないようで、昨年末にはこんな厳しいニュースも流れた。
「ホテルはガラガラ 平昌五輪に暗雲」(ワールドビジネスサテライト 2017年12月22日)
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