なぜ女子中高生は「韓国カルチャー」にハマったのか:スピン経済の歩き方(2/5 ページ)
「10代の若い女性を中心に『韓流ブーム』が起きつつある」というニュースが話題になっている。「本当なの?」「自分の周りにそんな人はいない」と思われたかもしれないが、なぜ日本の女子中高生は韓国カルチャーにハマったのか。その裏には……。
「“クールコリア”現象が起こる」と予測
これだけでもネトウヨのみなさんの怒りの火柱があがる案件だが、そこへさらに灯油をぶっかけるような形になったのが、JCJK調査隊のトレンド予測である。
『2018年は今年に引き続き、ヒト・モノ・アプリなどあらゆる場面で韓国コンテンツへの人気がさらに集まる“クールコリア”現象が起こると予測しています。』(同プレスリリース)
リリースによると、韓流スターが女子中高生の憧れの的となり、「〜ファン」という意味の「〜ペン」という韓国語が流行するのではないかというのだ。
ネトウヨのみなさんからは、これらはすべて「韓国ステマ」だと叩かれている。過去の韓流ブームも「反日マスコミのゴリ押し」というのがあの世界では「常識」とされているので、どうせ今回も同じ座組みに決まっているというのだ。
ただ、そういう「イデオロギー眼鏡」をかけずに、これらの現象を俯瞰(ふかん)してみると、確かに女子中高生の間で「韓流」が支持されているようにも見える。
もちろん、「女子中高生」とひと口にいっても、さまざまなタイプの人がいる。「女子高生の援助交際が社会問題になっています」というニュースが溢れた90年代も、そんなことをしない女子高生が大多数を占めていたように、トレンド報道というのは、一部の声の大きな人や極端なケースにフォーカスをあてて、少数のトレンドをさも日本中の女子中高生の間で流行していると、話を盛ってしまう傾向がある。
とはいえ、SNSなどをみれば、確かにJCやJKと思しきユーザーが「TWICE」や「チーズダッカルビ」「ウユクリーム」というキーワードで盛り上がっているのも紛れもない事実なのだ。
「スクールカースト」という言葉があるように、子どもたちの社会も多層化している今、日本全国すべての女子中高生が韓国カルチャーにハマっているわけではなく、放課後におしゃれな街を庭のように駆け回り、企業のマーケティングリサーチに協力するような「イケてる女子中高生グループ」の「トレンド」とみるべきではないのか。
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