苦戦が予想される「ダイエットコーク」に、立ちはだかる過去の壁:来週話題になるハナシ(2/5 ページ)
1982年に発売されたダイエットコークが岐路に立たされている。米国での炭酸飲料全体の売り上げが落ち込んでいることから大幅なリニューアルを行う予定だが、効果はどのくらいあるのだろうか。最大の壁は……。
イメージ改革に乗り出す背景
ダイエットコークは、発売されてから36年の間、何も手が加えられなかったわけではない。若干のデザイン変更や、フルーツのフレーバーを加えた新商品の投入もあった。ある程度の試みは行われてきたのだが、今回ほどの大幅なデザイン変更は初となるという。
ではなぜいま、イメージ改革に乗り出しているのか。その背景には危機感があったようだ。
ブランドが抱える最大の問題は、米国での炭酸飲料全体の売り上げが落ち込んでいることだ。05年をピークに、炭酸飲料の消費は年々落ち込んでいる。17年には、小売店での炭酸飲料全体の売り上げが2.5%(約100億ドル)も下がった。市場調査会社の予測では、今後さらに売り上げは減少していくと見られている。
つまり、このまま何も対策をせずに放っておけば、ブランドが廃れてしまうのは時間の問題だ。なんとか、ブランドを盛り上げて新規顧客を獲得しなければ、売り上げどころかブランドの存続危機にも関わる。
そこで、コカ・コーラ社が狙いをつけたのが、若い世代だ。健康志向が高いと言われる若い世代は、ある意味ダイエットコークの既存顧客と共通点があり、マーケットとしても大きいからだ。
その新しい世代にアピールするために、同社はリサーチや開発に2年もの歳月をかけ、ダイエットコークのブランドリニューアルに備えたという。特にこだわったのが、新商品となるダイエットコークの新しいフレーバーだ。
新しい味やエスニックフードに興味があり、食に敏感な若い世代には、はっきりした味が好まれる。そこで、バーボンやクラフトビールなどを参考に、ダイナミックで気分をあげるような4つのフレーバーを考え出したそうだ。
関連記事
- モスバーガーが「創業以来の絶不調」である、もうひとつの理由
業界第2位のモスバーガーが苦戦している。「創業以来2度目の絶不調」とも言われ、あれが悪い、これが悪いとさまざまな敗因が取り沙汰されている。どれも納得のいく話であるが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。それは……。 - 「ウィルキンソン」がバカ売れしている本当の理由
「ウィルキンソン」が売れている。躍進のきっかけはハイボールブーム。割り材としての需要が増えたことでブランド認知が上がったそうだが、大事な要素が欠けているのではないだろうか。どういうことかというと……。 - ホイッスルで世界に立ち向かう、「小さな会社」の勝算
さまざまなスポーツで使われているホイッスル(笛)は、どこのメーカーがつくっているのかをご存じだろうか。最大手は、英国のアクメ社。豪華客船タイタニックが沈むときに、乗員たちが持っていたのが、アクメ社のホイッスルだ。そんなホイッスル市場に、日本の小さな会社が挑もうとしている。 - カプセルホテルに似たホテルが、地方を再生させるかもしれない
カプセルホテルのようで、カプセルホテルでない。そんな宿泊施設が全国で増えているのをご存じだろうか。その名は「ファーストキャビン」。全店の平均稼働率が90%を超えているホテルは、どのような特徴があるのか。 - なぜコストコはグーグルよりも魅力的な職場なのか
「大量に買いたいから」「安いから」といった理由で、コストコで買い物をしたことがある人も多いのでは。会員制、低価格、大量買いといったビジネスモデルで店舗数が増えているが、本場の米国では単なる激安店以外によく知られていることがある。それは……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.