スポーツ中継の“黒船”DAZN、18年は何を仕掛ける?:欧州CL、自転車競技を放送開始(2/2 ページ)
スポーツ中継界の“黒船”こと「DAZN」。2017年は格闘技の“夢の対決”などを放送し、契約数が100万件を突破した。さらなる躍進に向け、18年はどんな施策を展開するのか。
コンテンツ面はさらに充実 欧州CL放送開始
コンテンツ面では、18年〜19年シーズンから3季にわたって海外サッカーの「UEFAチャンピオンズリーグ」「UEFAヨーロッパリーグ」「UEFAスーパーカップ」を放送予定。海外サッカーファン向けにさらなる訴求を図る。各大会は、プレーオフ、グループステージ、決勝トーナメントの全試合をライブ中継する。
すでに全コンペティションの放送に対応しているJリーグでは、カメラの台数を増設して放送内容を充実させる。DAZNはこれまで、J1の中継に9〜16台のカメラを使用してきたが、新たにゴール裏やゴールネットなどにカメラを増設。サポーターの表情、ゴールシーンをよりリアルに伝えるという。
運営と手を組んで始める「フライデーナイトJリーグ」
集客・視聴者増に向け、運営側と共同企画した施策「フライデーナイトJリーグ」も18年〜19年シーズンからスタートする予定。JIの全34節のうち12節を金曜日夜に実施するもので、「サッカーは好きだが、週末は観戦よりも家族との時間を優先したい」「仕事終わりにサッカーを見たい」――といった層の獲得を図る。
DAZNは金曜夜の視聴者を、Jリーグは現地観戦するサポーターを増やす狙いだ。会見に出席したJリーグの村井満理事長は「海外の強豪国では、金曜夜にサッカーを見る文化が根付いている。日本にも広めたい」と意気込んだ。
自転車競技にも注力
主力のサッカー番組以外も充実させる。18年は自転車競技にも注力する予定で、「ジロ・デ・イタリア」「ボルタ・ア・カタルーニャ」など、UCI(世界自転車競技連合)が運営するワールドツアー全37レース中21レースをライブ配信する。
こうした一連の施策の認知度を高めるため、著名なスポーツ選手を「DAZNアンバサダー」に起用し、知名度を生かしたPRも行っていく予定だ。
ボクシング世界王者・村田諒太選手らとタッグ
現在のDAZNアンバサダーは、プロボクシングのWBA(世界ボクシング協会)ミドル級王者の村田諒太選手、サッカー元日本代表の鈴木啓太氏――の2人。
会見には村田諒太選手が登場。「DAZNで他競技の選手の活躍を見て刺激をもらっている。スポーツ専門サービスのアンバサダーを務めている以上、私も負けは許されない。今後も競技を頑張りたい」と話した。
ラシュトンCEOは「これらの施策は、Perform Groupにとっては“序章”にすぎない。現在は日本、カナダ、ドイツ、スイス、オーストリアの5カ国でサービスを展開しているが、今後さらに5カ国に進出する予定だ」と展望を語った。
関連記事
- スポーツ中継の“黒船”DAZN、快進撃は続くのか
2016年8月の日本市場参入から1年間で、急成長を遂げているスポーツ配信サービス「DAZN」。ジェームズ・ラシュトンCEOと、DAZN日本法人の中村俊社長が、これまでの展開を振り返るとともに、今後の方針を語った。 - DAZN、欧州CLなどの独占放送権獲得 スカパーから移行
DAZNが、2018年〜19年シーズンから3季分の「UEFAチャンピオンズリーグ」「UEFAヨーロッパリーグ」「UEFAスーパーカップ」の独占放送権を獲得したと発表。 - コナミ、肖像権問題でマラドーナと和解 ウイイレで起用
肖像権を巡る問題で対立していたコナミデジタルエンタテインメントと、元サッカー選手のディエゴ・マラドーナ氏が和解。今後もゲーム内のキャラクターとして起用していく。 - 大人たちによって作り上げられた“ポスト真央”、本田真凛の悲劇
オトナたちによって作り上げられた「悲劇のスター候補」だったのかもしれない。女子フィギュアスケートの本田真凛のことだ。期待されていた韓国・平昌五輪の代表入りを逃してしまったことで、今後の彼女はどうなる? - サッカー日本代表はハリル監督で大丈夫なのか
サッカー日本代表、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督に対するバッシングが止まらない。ネットを見渡せば、彼にまつわる批判記事のオンパレード。ロシアW杯開幕まで半年ほどしかないのに、このままで本当に大丈夫なのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.