高梨沙羅にイチャモンをつけたくなる、3つの理由:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
ノルディックスキー・ジャンプ女子で活躍する、高梨沙羅への風当たりが厳しい。平昌五輪が近づいているなかで、なぜ彼女を批判する声が多いのか。その理由は……。
今は「ヒール」でも
最後に「悪態」にも触れておく。筆者は何度か高梨を取材する機会に恵まれているが、そこまで彼女に対する悪い印象はない。ただしここ最近、メディアとの「距離感」を覚えるのは事実だ。何人かのメディア関係者が不快な思いを抱いたという話は確かに聞く。
とはいえ、高梨の側に立ってみると彼女にも言い分があるように思えてならない。一部メディアからバッシングを受けメイクやベンツで揚げ足を取られていけば、マスコミ不信に陥っていったとしても何ら不思議はないだろう。しかも彼女は人並み外れた強い精神力の持ち主だけに、逆に開き直って「ツン」とするかのように今のような我が道を行く姿勢をあえて前面に打ち出しているのではないだろうか。そういう気がする。
高梨の名誉のために強調しておくが、彼女は平昌五輪に向けて陰ながらここまですさまじい猛練習を重ねてきた。今は「ヒール」でも金メダルを手中に収め、必ずや「ヒーロー」になってみせる。大人の女性になった21歳のジャンパーが、そう心に誓いながら4年越しの雪辱戦に臨む。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
卓球王者の張本が、いまひとつ支持を得られない要因
全日本卓球選手権の男子シングルス決勝で、14歳の張本智和が王者・水谷隼を破って優勝した。最年少優勝の偉業を達成したのに、いまのところ“張本フィーバー”は起きていない。なぜ新王者がいまひとつ支持されないかというと……。
大人たちによって作り上げられた“ポスト真央”、本田真凛の悲劇
オトナたちによって作り上げられた「悲劇のスター候補」だったのかもしれない。女子フィギュアスケートの本田真凛のことだ。期待されていた韓国・平昌五輪の代表入りを逃してしまったことで、今後の彼女はどうなる?
インフル大流行は「風邪でも絶対に休まないおじさん」のせい?
インフルエンザが猛威を振るっている。大流行している要因として、「ワクチン不足があった」「A型とB型が同時に流行した」といった意見が出ているが、筆者の窪田氏は「風邪でも絶対に休まないおじさん」のせいではないかという。どういうことかというと……。
なぜ地図で「浅草寺」を真ん中にしてはいけないのか
地図を作成している編集者に、2枚の地図を見せてもらった。1枚は浅草寺が真ん中に位置していて、もう1枚は浅草寺が北のほうにある。さて、実際に地図に掲載されているのは、どちらなのか。答えを聞いたところ、予想外の結果に!?
「着物業界」が衰退したのはなぜか? 「伝統と書いてボッタクリと読む」世界
訪日観光客の間で「着物」がブームとなっている。売り上げが低迷している着物業界にとっては千載一遇かもしれないが、浮かれていられない「不都合な真実」があるのではないだろうか。それは……。