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雪上試乗会で考えるスバルの未来池田直渡「週刊モータージャーナル」(3/5 ページ)

スバルは、青森市内から八甲田山、十和田湖を経由して安比高原までのコースを走るアドベンチャー試乗会を開催した。日本屈指の過酷な積雪ルートでスバル自慢のAWDを検証してくれというわけだ。

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電制の手なづけ方の問題

 試してみると、これは低速でのみ起きる現象だった。もう少しペースを上げて、旋回ブレーキを使ったり、コーナーリング中にアクティブにアクセルを踏んでトラクションを掛けてやると、クルマは盤石に安定してきちんと曲がるのだ。いわゆるクルマ好きな人が雪道ではしゃいでやりそうな運転ではクルマの挙動に瑕疵(かし)はない。しかし、恐らくそういう人が使わないであろう退屈な低速域でクルマの動きがおかしい。生活四駆として人々の生活に浸透すべきクルマとしてこれは望ましくないのではないか。

 逆に言えば、速度を上げれば上げるほどインプレッサは気持ち良く走るのである。筆者は電制車両コントロール(アクティブ・トルクベクタリング)が効く領域で走っているとよく曲がるが、制御が関与しない領域へ移行すると、ハンドリングが変わるのではないかと想像している。コーナーリング前半のアンダーステアを出したくない場面ではアクティブ・トルクベクタリングが丁寧に働いてアンダーステアを消すが、後半になると条件が楽になるので、働かなくなり、そこでアンダーステアが顔を出すのではないか? エンジニアの方々とこの件を話してみると、意外な話が出てきた。

 「そういう電制の過渡による不自然な挙動はあるかもしれません。マイナーチェンジ以前のモデルでは過渡の動きの不自然さが気になる部分があったので、改良し、今回それをある程度修正できたと思っています。だから今回のモデルではご指摘のような挙動は軽減されているはずです。ただ、完全になくなっているかと言えば、まだ残っている部分はあるかもしれません」

秘湯として知られる酸ヶ湯温泉にたどり着いたときにはクルマからつららが下がっていた
秘湯として知られる酸ヶ湯温泉にたどり着いたときにはクルマからつららが下がっていた

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