沖縄の葉野菜不足を解消できるか? 沖縄セルラー子会社が目指すもの:地元の産業育成(4/4 ページ)
沖縄セルラー電話から会社分割し、植物工場を利用した農産物生産・販売や観光情報サイトなどを運営する沖縄セルラーアグリ&マルシェ。その取り組みについて國吉社長に聞いた。
――Wi-Fiを無料で開放する狙いは何ですか?
観光客が沖縄でフリーWi-Fiに接続する場合は認証画面から接続して観光情報を楽しんでもらうのですが、そのデータはビッグデータとして蓄積され各種分析が可能となります。どのルートで観光しているのか、どこに観光客が集まるのかなどの観光動態分析が可能となり、沖縄の観光産業に有益な情報を提供できます。
また、20年に向けておもてなしの視点でWi-Fiの日本全国統一認証化も進んできており、県と一緒に取り組んでいるところですが、統一認証化が進めば、アプリを利用している方々に観光情報をプッシュ配信ができるため、沖縄への呼び込みや誘導もしやすくなります。
――今後の事業展開について
沖縄セルラー電話は、沖縄懇話会の中で沖縄のために創られた会社です。携帯電話を本業として沖縄で26年間営業させていただいています。県民の皆さんのおかげで売り上げも利益もトップクラスに成長させていただきました。そこから沖縄のために新規事業として経済発展に貢献することを目指している中で、当社にて農業と観光に取り組ませていただいています。
農業では人材不足、後継者不足、省力化、ブランドづくり等の課題があります。また観光では観光入域客数年間1200万人、観光収入1兆1100億円を目標に掲げ県一丸となって取り組んでいます。観光客を呼び込むには新たに沖縄の魅力ある観光コンテンツを開発しなければならず、また観光拠点を結ぶ2次交通の問題等のインフラ整備の課題もあります。
沖縄セルラーアグリ&マルシェでは「課題があれば必ずビジネスチャンスがある」と考えています。私たちのIT、ICT、IoTの情報通信技術を提供することで課題を解決し、「沖縄経済の発展に貢献する」という基本理念の下、今後も事業を展開して参ります。
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