セブンを迎え撃ち ファミマが沖縄で伸び続ける理由:過熱するコンビニ戦争(1/4 ページ)
沖縄に訪れたことのある人ならご存じだろうが、街でよく目につくコンビニといえばファミリーマートだ。30年近く前にエリアFCとして設立された沖縄ファミリーマートの戦略が功を奏し、今や沖縄では不動の地位を築いている。その取り組みとは――。
ローソンとスリーエフが資本業務提携の交渉を発表(2015年8月)、サークルKサンクスを運営するユニーグループ・ホールディングスとファミリーマートが経営統合に基本合意(同年10月)、ファミリーマートがココストアを完全子会社化(同年10月)――。この数カ月間のうちにコンビニエンスストア業界で大きな地殻変動が起きている。
日本フランチャイズチェーン協会によると、かつて50以上あったコンビニチェーンは、2000年ごろをピークに今や半数に。一方で、店舗数全体は増えていることに加えて、セブン‐イレブン、ローソン、ファミリーマートの大手3社が市場全体の約8割のシェアを占めるなど、寡占化が止まらない。今後もコンビニ業界の再編はまだまだ進むと見られている。
そうした中にあって、今後の市場動向を占う上で注目したい地域が沖縄だ。沖縄といえば、大手3社のうち、セブン‐イレブンが唯一出店していない県である。現在、このエリアで最大手のコンビニといえば、258店舗を展開する沖縄ファミリーマートである。
同社はファミリーマートのエリアフランチャイザー(エリアFC)として1987年に設立。ファミリーマートは現在、南九州ファミリーマート、北海道ファミリーマートもエリアフランチャイザーとしているが、沖縄の設立が最も早い。
沖縄ファミリーマートの2015年2月期決算は、売上高528億1200万円(前期比6.8%増)、経常利益は14億4200万円(同1.3%増)と、15期連続の増収増益となった。2016年2月期の売上高は571億8300万円を見込んでおり、長らく好調が続いている。
沖縄ファミリーマートの親会社は、沖縄で唯一の百貨店「りうぼう」やスーパーマーケット「リウボウストア」などを運営するリウボウグループである(株主構成:リウボウ51%・ファミリーマート49%)。リウボウホールディングスの糸数剛一社長は、まさに沖縄ファミリーマートの事業成長の礎を築いた人物として知られているのだ。
糸数氏は沖縄ファミリーマートが設立して間もない1988年に入社。1998年に取締役営業部長、その後、開発部長兼総合企画室長、常務取締役、専務取締役を経て、2007年〜2009年に米FAMIMA CORPORATIONの社長兼CEOを務めた経歴を持つ。
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