明治、マーガリンの成分見直し 市場回復へトランス脂肪酸削減:消費者の不安解消へ(2/2 ページ)
明治が3月から、家庭用マーガリンを大幅リニューアル。「トランス脂肪酸」を多く含む原材料を全商品で不使用とする。消費者の不安感を解消し、市場を活性化する狙い。
独自開発の「新ブレンド油脂」を採用
高橋氏によると、今後明治の家庭用マーガリンには「部分水素添加油脂」を含まない「新ブレンド油脂」を使用する。メーカーと組み、パーム油などを調合して独自開発したものだという。
「新ブレンド油脂は06年ごろから一部の製品に使用してきたが、練り込みの強度や温度、湿度などの条件を整えるのが難しく、全製品に広げることが難しかった。今回は製造工程を大きく見直したため、適用範囲を拡大できた」(高橋氏)
パーム油は世界的に需要が高まっており、調達・製造コストはかさむが、明治は家庭用マーガリンの価格を据え置く方針だ。
パッケージも刷新、特設サイトも
明治は家庭用マーガリンのリニューアルに合わせ、トランス脂肪酸が「適量の摂取であれば健康に害はない」ことを解説する特設Webサイトも3月に立ち上げる予定。
商品のパッケージには、同サイトに誘導するQRコードとトランス脂肪酸の低減をアピールするロゴも掲載し、施策の認知度向上を図っていく。
「従来は、コーポレートサイト内に解説コーナーを設ける程度で、啓蒙(けいもう)活動は十分だと考えていた。その結果、顧客の不安を払しょくできず、マーガリン市場にダメージを与えてしまった。一連の施策で再び盛り上げたい」(高橋氏)
ただ明治は、当面はこの取り組みを業界全体に広げる予定はないという。
高橋氏は「『新ブレンド油脂』の調合法や製造条件は独自に見いだしたもの。こちらから競合他社への提供はできない。当社の施策を知って刺激を受けた企業が技術を進歩させ、業界が健全な形で発展することを願っている」と話している。
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