那覇の民泊施設、大手サイト掲載の84%が違法:許可取得できないエリアでも
那覇市が公表した民泊施設実態調査報告書によると、「エアビーアンドビー」に17年7月1日に掲載されていた民泊施設622件のうち、522件が旅館業法の許可を得ていない「違法民泊」だった。
那覇市が2月13日に公表した市内の民泊施設実態調査報告書によると、大手民泊仲介サイト「エアビーアンドビー(Airbnb)」に2017年7月1日に掲載されていた民泊施設622件のうち、84%に当たる522件が旅館業法の許可を得ていない「違法民泊」だった。市による民泊実態調査は初めて。
調査は市内の民泊利用や施設数、周辺住民とのトラブルの増加などを受けて実施。最も掲載件数が多いエアビーアンドビーの情報を分析し、許可権限のある市保健所の情報と照合した。6月15日の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行に向け、調査を基に対応策を検討する。
622件のうち、市が旅館業許可施設と特定できたのは100件。また、196件(32%)は第1種低層住居専用地域など、旅館業の許可を取得できないエリアで民泊を提供していた。
民泊施設が最も多く所在していた地域は泉崎や牧志などの那覇中央地域で、約半数の301件あった。次いでおもろまちなど那覇北地域が100件だった。物件を特定できなかった施設も223件(36%)あった。
施設タイプはマンションなどの集合住宅が472件(76%)で最多。宿泊関連施設が84件(14%)、一戸建てが65件(10%)。物件全体を貸し出す「貸切」タイプが507件(82%)で家主不在型が多く、家主居住型(ホームステイタイプ)は少ないとみられる。
集合住宅で定員を6人以上と設定する施設が135件(集合住宅の約3割)あった。2LDK程度の間取りの施設が多く、「大人数の宿泊による騒音やごみの問題が発生している可能性が考えられる」とした。
16年度の民泊宿泊者による観光収入は73億円で、市全体の観光収入の2.2%と推計。市の民泊に対する基本的な考え方では、住民の安全安心を優先することや「宿泊施設不足を補うことを第一義とするのではなく、既存宿泊業の存在感を重視」するとしている。
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