東京ディズニーリゾート、アプリで「待ち時間」解消へ:データビジネスも視野
オリエンタルランドが、待ち時間解消に向けたアプリを開発している。チケットやグッズの購入、ホテル・レストランの予約、ショーの抽選などの機能を設ける予定。ゲストの行動データに基づいたデータビジネスの展開も検討中。
東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドは2月21日、来園者の待ち時間解消に向けたスマートフォンアプリを自社開発していると明らかにした。チケットの購入やグッズ購入、ホテル・レストランの予約、ショーの抽選、アトラクションの待ち時間の確認、マップの閲覧――などの機能を搭載し、列に並ぶ手間を削減する狙いで、2018年度中のリリースを計画している。
iOS、Androidに対応予定。東京ディズニーランド、東京ディズニーシ―の両方で使用できるという。
オリエンタルランドは20日から、チケット購入者にQRコードを発行し、入場口でかざすと入園できるサービス「ディズニーeチケット」を既に開始。「ディズニー・ファストパス」もQRコード化するなど、IT技術を活用した混雑緩和に注力している。
現時点では各種QRコードの発行はブラウザ上でのみ可能だが、18年度中にアプリの一機能として統合し、より利便性を高める予定だ。
GPS活用のショッピング機能も
アプリには、GPS(位置情報システム)を活用したショッピング機能も搭載する予定。アプリでグッズを購入した来園者を対象に、商品を自宅に配送するもので、閉園間際にショップが混雑し、会計や退園に時間がかかるケースを防ぐ。
決済方法も充実させ、クレジットカード、各種電子マネー、代金引換、後払いのほか、携帯電話の利用料金とまとめて支払える「キャリア決済」などに対応する予定。
ただショッピング機能は、あくまで園内の混雑を緩和する目的。一般的なインターネット通販(EC)サービスのように、自宅からアプリ経由でグッズを購入することはできないという。
成長に向けてはIT投資が不可欠 データビジネスも視野に
オリエンタルランドは「当社のテーマパークでは人と人とのコミュニケーションを重視していたが、さらなる成長に向けてはIT投資が不可欠と考え、アプリの開発を決めた」(広報部)と説明する。
「アプリ導入後は、来場者の行動データに基づいたデータビジネスの展開も検討している。当面は日本語のみ対応するが、外国人客の満足度向上に向け、多言語対応も視野に入れている」(同)という。
東京ディズニーランド・シーの合計入園者数は、14年度をピークに2年連続で減少中。オリエンタルランドは改善に向け、新エリアの建設などさまざまな施策を進めている。
関連記事
- オリエンタルランド、「新パークのテーマは“空”」報道にコメント
オリエンタルランドが、新パークのテーマを「空」に決めたとの一部報道にコメント。「当社が発表したものではない」「さまざまな検討を進めている」とした。4日付の毎日新聞などが、新パークの名称は「ディズニースカイ」などと報じていた。 - ディズニー公認「プリンセスのウエディングドレス」全国で
クラウディアがウォルト・ディズニー・ジャパンとライセンス契約を締結し、「ディズニープリンセスのウエディングドレス」を発表。6作品のプリンセスをモチーフにしたドレスを全国でリース展開する。 - ディズニーランドで大規模開発 「美女と野獣」など新設
オリエンタルランドが、東京ディズニーランドの大規模な改装事業を開始。750億円を投資して「美女と野獣」エリアなどを新設する。 - ディズニーランド・シー、入園者数が2年連続マイナスに
16年度の東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの合計入園者数は3000万4000人と前年度から微減だった。 - 「ディズニーランド」装うメールに注意 ウイルスが添付
東京ディズニーランドを装った不審なメールが出回っているとして、警視庁サイバーセキュリティ対策本部などが注意喚起。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.