イケアはアマゾンに勝つことができるのか:来週話題になるハナシ(1/5 ページ)
世界最大の家具ブランド「IKEA(イケア)」が岐路に立たされている。業績は伸ばし続けているが、時代の波に飲み込まれそうになっているのだ。どういうことかというと……。
春は新生活を始める人たちが増える季節。家具などを購入する人も多いのではないだろうか。
この時期になると、そういう人たちのために雑誌などでもインテリア特集が組まれる。特集などで日本の無印良品やニトリと並んで比較されるのが、スウェーデン発のブランド「IKEA(イケア)」だ。
イケアは、世界49カ国で403店舗を展開し、2017年度の総売上高が383億ユーロ(約5兆800億円)となる、世界最大の家具・インテリアのブランドだ。
日本への進出は06年4月。千葉県に第1号店となる「IKEA 船橋」をオープンしたのが最初だ。そして現在では日本国内に10店舗を展開している。
イケアと言えば、郊外に大型店舗をつくり、迷路のような巨大モデルルームや、買い物客がセルフサービスで運んで組み立てるように平らに包装された「フラットパック」の家具が有名だ。また、店内のカフェテリアで提供されるスウェーデン料理のミートボールや、激安のホットドッグとソフトクリームもファンが多い。
イケアは、シンプルで機能的でありながら、カラフルな北欧デザインの家具を低価格で提供し、多くの人をとりこにしてきた。ちなみに、イケアというブランド名は、創業者のフルネーム「Ingvar Kamprad(イングヴァル・カンプラード)」と彼が育った農場の名前「Elmtaryd(エルムタリッド)」と、居住区の村「Agunnaryd(アグナリッド)」の頭文字をとったものだ。
そんなイケアを愛してやまなかった、ブランドの象徴ともいえる創業者のカンプラード氏が18年1月27日に91歳で他界した。
約60年前に、イケア第1号店をスウェーデンのエルムフルトにオープンさせ、独自の経営哲学で世界最大の家具・インテリアのブランドに育て上げた創業者を失ったのは、イケアが置かれている現状を物語るような出来事だ。
というのも、近年ビジネスを取り巻く環境が大きく変化しているからだ。業績を伸ばし続けているイケアだが、いま大きな時代の波に飲み込まれそうになっている。
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