イケアはアマゾンに勝つことができるのか:来週話題になるハナシ(2/5 ページ)
世界最大の家具ブランド「IKEA(イケア)」が岐路に立たされている。業績は伸ばし続けているが、時代の波に飲み込まれそうになっているのだ。どういうことかというと……。
イケアが直面している現実
イケアはどんな現実に直面しているのか。まず変化のひとつは、小型店舗の台頭だ。大型店舗が好まれた時代から、目的に特化して素早く買い物ができる便利な小型店舗へと、消費者の好みが変わりつつあるからだ。
また、世界的にイケアの主要顧客である若い人たちが都市部へ移動していて、若者のクルマ離れが加速している。そのため、郊外にある既存店舗を訪れる客数は、伸び悩んでいる。
そんな状況を打開するために、郊外型の大型店舗をウリにしてきたイケアも、実は15年ごろから世界各国の都心部で、小型店舗や期間限定で開店する「ポップアップストア」のテストを行っている。
英国、カナダ、イタリアなどで、展開している小型店舗は、イケアがテストしている新しいコンセプトのストアだ。「IKEA order and collection point(イケア オーダー&コレクションポイント)」という名前で、買い物客がオンラインか店内のタブレット端末でオーダーした商品を受け取るための窓口になっている。
これは近年、大手小売店が積極的に取り組んでいる、ネット通販と実店舗を相互活用するスタイルと同じだ。ただし、郊外にある大型店舗で買い物をするのに慣れた従来のイケアの顧客からは、不満の声が漏れている。
というのも、都心部を中心に出店している小型店舗は、従来の郊外型店舗の10分の1ほどの広さで、スペースが限られている。そのため、すべての商品を見たり触ったりすることができず、中途半端な位置付けになってしまっているのだ。
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