イケアはアマゾンに勝つことができるのか:来週話題になるハナシ(3/5 ページ)
世界最大の家具ブランド「IKEA(イケア)」が岐路に立たされている。業績は伸ばし続けているが、時代の波に飲み込まれそうになっているのだ。どういうことかというと……。
ポップアップストアは一定の効果がありそう
また、商品をオーダーしてから手に入れるまで時間がかかるのもネックになっている。郊外の大型店舗のように、その場で欲しい家具を気軽にカートに乗せて、買い物ができないのだ。
だとしたら、小型店舗にわざわざ行くメリットは何なのか、ということになる。もちろん小型店舗にも郊外の大型店舗にない利点がある。
例えば、ネット通販で購入した商品をピックアップして送料を節約したり、専門家に相談したいプロジェクトがある場合に、気軽に店舗へ訪れることができることだ。だからこそ都心部に近いことがウリになっている。
さらに小型店舗ではシステムキッチンのプランニングなどを手助けする、カスタマーサービスにも注力している。最近導入されたばかりの、VR(ヴァーチャルリアリティ)のソフトを使用し、生活空間に家具を置いた場合のシミュレーションができるサービスも始まっているという。
また、テーマを絞った期間限定の小型店舗であるポップアップストアは、若い人たちへのアピールに成功している。
スウェーデンのストックホルムにオープンしているのは、キッチンだけを扱う期間限定のポップアップストアだ。システムキッチンのプランニングサービスをウリにする小型店舗で、当初6カ月間だけオープンする予定が、好評なため1年以上延長されているという。
ほかにも、スペインのマドリッドでは、ベッドルーム家具に特化したポップアップストアをオープンさせたばかりだ。
都心部にオープンさせたこのポップアップストアでは、見事に新しい顧客の囲い込みに成功している。マドリッドで、この小型店舗に訪れた客の約70%が、イケアを利用したことがない人だったという。
さらに、ポップアップストアがオープンした後、イケアの認知度が高まり、マドリッドでネット通販の売り上げが50%以上増えたという。こうしたイケアの期間限定ストアは、まだ実験的に行なっている段階だが、ある一定の効果はありそうだ。
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