“若手発信”のプロジェクトが職場を変えた 新卒社員の奮闘:理解得ることから(1/4 ページ)
社内コミュニケーションの活性化が課題となっている企業は多いだろう。オフィス家具メーカー、プラスの渡辺さんと村山さんは、新卒入社してすぐに社内活性化プロジェクトを担当し、社内の雰囲気を少しずつ変えている。どのように他の社員を巻き込んだのか。
会社の風通しが悪い、コミュニケーションが希薄、活気が少ない――。そんな雰囲気が仕事のやりにくさにつながっていないだろうか。問題意識はあっても「どうせ何も変わらない」と感じているビジネスパーソンも多いだろう。
しかし、それは言い訳にすぎないのかもしれない。新卒入社してすぐに「社内コミュニケーション活性化」のプロジェクトを任され、社内の雰囲気を変えたビジネスパーソンもいるからだ。オフィス家具、文具メーカーのプラスで働く渡辺ちひろさんと村山恵莉さん。2014年に立ち上がった「ワクワクプロジェクト」の初代メンバーとして、4年間、それぞれの仕事と両立しながら社内活性化の取り組みを推進してきた。
若手社員がどのように他の社員を巻き込み、活気ある職場づくりに取り組んだのか。その経験について聞いた。
交流スペースが生かされず
プラスは、文房具、オフィス家具など事業別の社内カンパニー制を採用しており、ワクワクプロジェクトはオフィス家具部門「ファニチャーカンパニー」で実施されている取り組みだ。同カンパニーは、主な営業拠点となる東京オフィス(東京都千代田区)、デスクやチェアといったオフィス家具の製造拠点である前橋工場(前橋市)などの拠点を構える。
社内コミュニケーション活性化を目指すプロジェクトが生まれたきっかけは、13年の東京オフィス移転までさかのぼる。移転後のオフィスには、社員同士が交流するためのカフェや多目的スペースを設けたものの、場所を作っただけでは、会話や交流が増えることはなかった。カフェスペースにはコーヒーを取りに来るだけ。オフィスづくりにありがちな失敗だ。
そこで14年初めに立ち上がったのが、入社4年目までの若手社員を中心として社内活性化に取り組むプロジェクト。渡辺さんと村山さんは、まさにプロジェクトが始まるタイミングで入社した。3カ月間の研修を終え、配属が決まり、右も左も分からない中、プロジェクトに参加することになった。
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