特集
「安ければ売れる」で痛い目を見たキノコ営業マンを変えた一言:超・営業力(3/3 ページ)
キノコは冬場に飛ぶように売れるが、夏場は苦戦する。キノコメーカーであるホクトの東北エリアで営業リーダーを務める日柳さんは以前、夏場に何の理由もなく安売りをしたことで大失敗したという。
とりわけ数字情報は企画作りだけでなく、日々の商談においても重要だという。
「前年のこの時期に商品をいくらで売って、どのような成果が出たか。そのときの市場状況はどうだったか。そうした情報を前提に今年はどうするかという提案をしないといけません。その場しのぎの提案など通用しないのです」と日柳さんは強調する。
これはチームメンバーにも徹底している。実際、さまざまな情報を活用して2週間先の営業状況を毎日シミュレーションするようにしている。条件は毎日どころか、朝夕でも刻一刻と変化するので、その数字をきちんと把握して、読みの精度を高めていくのがまだ若い営業メンバーには難しいようだ。しかし数字でモノを語るというスキルこそが同社の営業には不可欠だという。
なぜなら1日のキノコの生産量は決まっているため、需要と供給のバランスをうまく取りながら営業提案しなくてはならないからである。もしその読みを誤ると、例えば、大量の欠品が出て、取引先はもちろんのこと、その先の消費者にまで迷惑がかかる。メーカーとしての信頼を得るためにも、顧客の最前線で動き回る営業マンの役割は大きいのだ。
営業の極意:
- 社交辞令は言わない
- 消費者の目線を常に持つ
- 数字でモノを語る
関連記事
- “平均点”から抜け出した生保営業マンの「ちょっとした差」
人生設計に深くかかわる生命保険の営業マンは、どんな営業活動をしているのか。メットライフ生命の野村雄一郎さんは、「ちょっとした差」を生む行動を積み重ね、トップクラスの成績を出している。 - できる営業マンが“他社商品”も勧める理由
一流の営業マンと言われる彼らも最初から一流だったわけではない。一流の営業マンへと変わる、「きっかけ」が必ずあったはずだ。大手菓子メーカーのグリコで活躍する営業マン、渡邊一雅さんもその1人である。そのきっかけとは……。 - 契約が白紙になりそうになったとき、スゴい営業マンは何をしたのか
「営業の成績がなかなか上がらないなあ」と悩んでいる人も多いだろう。「営業の達人」と呼ばれる人は、これまでどのような経験をしているのだろうか。大きな壁にぶちあたって、そこから這い上がったエピソードを紹介する。 - 先輩の叱責をバネに巨大案件を手にしたマルコメの営業マン
大手みそメーカーのマルコメで実績を上げ続けている営業マンがいる。若手のホープとして期待される彼は、入社2年目のとき、先輩からの叱責によって行動が大きく変わったのだという。 - コンシェルジュはどこで仕事をしているのか ホテルの中だけでなく
ホテルのコンシェルジュといえば、お客さんのリクエストに応える――といったイメージが強いが、実際はどのような仕事をしているのだろうか。新宿ワシントンホテルで活躍している平野敏美さんに、コンシェルジュに必要なスキルなどを聞いた。 - 自分を「デキる営業マン」に変えた、“シンプルな習慣”とは
「デキる営業マン」と「凡人営業マン」との間にある“差”は、どこから生まれるのか。どうすれば結果を出せる営業マンへと生まれ変われるのか――。一流の営業マンからそのヒントを探る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.