契約が白紙になりそうになったとき、スゴい営業マンは何をしたのか:特集「超営業力」(1/4 ページ)
「営業の成績がなかなか上がらないなあ」と悩んでいる人も多いだろう。「営業の達人」と呼ばれる人は、これまでどのような経験をしているのだろうか。大きな壁にぶちあたって、そこから這い上がったエピソードを紹介する。
「超・営業力」特集:
「営業の成績がなかなか伸びないなあ」「自社の商品が売れないよ」といった悩みを抱えている人も多いのでは。ビジネス書を読んだり、セミナーに出席したり、なんとかいまの立場から抜け出そうと試みるものの、うまくいかない。
では「一流」と呼ばれている営業担当者は“ひよっこ”のとき、どういったところに着目し、どのようにして成長してきたのか。本特集はそのきっかけに迫り、二流から一流になるためのヒントを探る。
「営業の成績がなかなか上がらないなあ」と悩んでいる人も多いのでは。「営業の達人」と呼ばれる人でも、駆け出しのころから商品が飛ぶように売れたわけではない。大きな壁にぶちあたり、そこから這い上がっているのだ。では、どのような経験をして、ピンチを切り抜けたのか。キリンビールで飲料販売を担当している勝田龍介さんに、営業の極意を聞いた。
居酒屋チェーンの状況を分析
――勝田さんは2008年に入社。現在は東京で外食チェーンを担当していて、自社商品の営業をしているのですよね。大阪、宮崎、福岡で活躍してきて、「この仕事をやっていける!」と思った瞬間を教えてください。
福岡で外食チェーンを担当していました。「チェーン店の売り上げが伸びる=当社(キリンビール)の売り上げも伸びる」ので、担当する会社の売り上げを伸ばすために何をすればいいのか、自社の飲料はどのような貢献ができるのか、といったことばかり考えていました。
居酒屋にはメニューがありますよね。自分が担当している居酒屋のメニューを見て、「お客さん目線でないなあ」と感じたことがありました。男性ばかりでメニューをつくっていたので、女性が楽しめるドリンクがほとんどなくて。女性向けのドリンクがあっても、メニューには「楽園ベイベー○○」などと書いてある。このネーミングだと、ちょっとダメですよね。そこで、何をしたのか。どんなお客さんが来店しているのか、お客さんにどのように接客しているのか、どのような食事をしているのか、どのようなドリンクを飲んでいるのか、滞在時間はどれくらいなのか。現場に足を運んで観察するだけでなく、POSデータ(店のレジで商品が売れたときに記録されるデータ)も分析し、さらに当社が保有している情報を合わせて、「ドリンクメニューはこのようにしたらいかがでしょうか?」と提案してみました。
なぜ、私がPOSデータを分析したのか。飲食店で働いている人は忙しくて、なかなかデータを分析する時間がないんです。いいシステムを導入していても、きちんと使えていないケースがあるので、そうした店では私が分析していました。結果、やはりその居酒屋は“女性が飲みたくなるようなドリンクが少ない”ことが分かってきました。メニューには大きな文字で「ビール」と書かれていましたが、ビールに代わって、チューハイ、カクテル、サワーが目立つようにしました。もちろん、ネーミングも変えて。このほかにもいろいろ変えてみたところ、女性客が増え、店全体の売り上げが伸びました。
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