契約が白紙になりそうになったとき、スゴい営業マンは何をしたのか:特集「超営業力」(2/4 ページ)
「営業の成績がなかなか上がらないなあ」と悩んでいる人も多いだろう。「営業の達人」と呼ばれる人は、これまでどのような経験をしているのだろうか。大きな壁にぶちあたって、そこから這い上がったエピソードを紹介する。
必要な情報を提供
――自分が担当している外食チェーンの売り上げを伸ばすために、さまざまなことをしているのですね。
どの飲料メーカーと契約するのか。それを決める人と仲良くなったからといって、営業の成績が伸びるわけではありません。担当する会社の売り上げを伸ばすために、自分は何ができるのか。必要な情報があれば、それを提供しなければいけません。例えば、外食チェーンの方はよく他店を視察に行かれるので、「どこかいい店はないかな?」と聞かれるんです。そのように聞かれたら、先方が期待する以上の店を紹介しなければいけません。「ネットに書かれている情報よりも、あいつに聞いたほうが詳しい」と思っていただけるようになると、またお声がかかるようになるかもしれませんので。
福岡で働いているときに、ある先輩は担当エリアの飲食店のことを詳しく知っていました。「この店の売り上げは好調だ」「この店はちょっと厳しい」「この店の料理はおいしい」といった情報に精通していて、取引先などから頻繁に声がかかっていました。ある日、私が担当する外食チェーンの人から「焼鳥屋さんを見たいんだよ」といった声がありました。そうしたときでも、その先輩に聞けば、いくつかお店を紹介してもらえました。ところが、その先輩が転勤することに。地元の情報は“先輩頼み”だったわけですが、その人がいなくなる。どうしようどうしようと嘆いていても、問題は解決しません。そこで、どうしたのか。地元の飲食店を回ることにしました。
ある日は、昼外食、夜外食。ある日は、朝外食、昼外食、夜外食、深夜外食といったこともありました。そうした生活を送ったところ、年間で800軒ほど回ることができたんです。外食をして「おいしかった」で終わるわけではありません。店の人と情報交換などをすることによって、徐々に地元のことが分かってくるんですよね。「焼き鳥がおいしい店はここ」といった情報だけでなく、行ったことがない店の情報も入ってきました。また、重要な人を紹介してくれたり、地元のキーマンを教えてくれたり。先輩が転勤したことでものすごく困ったのですが、靴底を減らすことでなんとか情報を手にすることができました。
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