吉永社長「きちんとありたい」 SUBARU、経営陣刷新で信頼回復へ:けじめをつける(2/2 ページ)
SUBARUは3月2日、中村知美専務執行役員が社長に昇格する人事を発表。吉永泰之社長ら経営トップ4人が退任。吉永社長は代表権のある会長に就任する。経営体制を一新し、無資格者による完成検査などの問題にけじめをつける。
逃げずに責任を取る
会見の主な発言は以下の通り。
――トップ4人の退任はいつ決まったのか。
吉永氏: 17年9月ごろから、それぞれの人が退く意思を話してくれた。こちらから「辞めてくれ」と言ったわけではない。完成検査問題が発覚する前から、経営陣の若返りを図る話はあり、自分自身も9月末には退任しようと決心した。次期社長に中村さん、というのは、他の人も全く同じ意見だった。その後、問題が発覚してそれどころではなくなったが、12月にもう一度確認して決定した。
――けじめという話だが、吉永社長を代表権がない会長に、という話にはならなかったのか。
吉永氏: 責任の取り方としてどうあるべきか、トップ4人で話し合ってきた。(今回の人事は)問題をぶん投げて逃げるのではありません、というメッセージ。「何も変わらないじゃないか」という意見があるのは分かっているが、「正しい会社」を作る責任を取りたい、ということから今回の決定に至った。(中村氏と)2トップになる気はない。残っている仕事をやって、次期社長と連携しながら、邪魔にならないようにやっていくつもりだ。
――この7年を振り返って。
吉永氏: ここ数年、非常にありがたいことに、結果として販売台数が伸びている。それは、お客さまが共感してくださる部分がたくさんあるからだろう。お客さまを見て商品を作り、共感してくださった結果として、業績が伸びたことはうれしい。中村さんも基本の考え方は一致している。すてきな人物だと思う。
――社長就任に向けて。今後、どのような会社にしていきたいか。
中村氏: 飛躍的な成長をリードしてくれた現社長の後を引き継ぐこと、また、自動車業界にとって大変革期というタイミングで社長を拝命し、身が引き締まる思い。軸をぶらさずに、前を向いてこの重責を果たしていきたい。
4年間米国にいたことから、直近の社内の状況を把握するためには多少の期間が必要。だが、最重点市場である北米を担当し、会社の外からスバルを見てきた。販売の最前線からも会社を見てきた。その過程で見えた会社の強み、弱みを自分なりに把握している。過去から直近までの経験を生かして、経営のかじ取りをしたい。
詳しくは社内の状況を把握した上で考えていきたいが、時代に合った、地に足のついた着実な成長ができる会社にしていけたら。
関連記事
- SUBARU社長交代 吉永社長は会長に 中村専務が昇格
SUBARUが社長交代を発表。吉永泰之社長が会長に就任し、中村知美専務執行役員が昇格する。SUBARUをさらに魅力的なブランドへ成長させるためという。 - SUBARU、スポーツセダンのコンセプトモデルを出展へ
SUBARUは新型スポーツセダンのコンセプトモデル「VIZIV (ヴィジヴ) PERFORMANCE CONCEPT」を東京モーターショーに出展する。 - 「かっぱ寿司」前社長、スピード辞任の理由は「過去のコンプラ違反」
関係者が、カッパ・クリエイト前社長がスピード辞任した理由を明かした。カッパ以前に在籍していた企業でコンプライアンス違反があったためという。後任には、アトムの小澤俊治社長が就くことが内定しているという。 - 【一問一答】社長交代のKDDI 田中・高橋両氏が明かす、それぞれの思い
KDDIが、田中孝司社長が代表取締役会長に就任し、後任に高橋誠副社長が昇格する4月1日付人事を発表。記者会見では両氏が報道陣からの質疑応答に応じ、それぞれの思いを語った。 - 社長交代のヤフー、宮坂・川邊両氏が明かした「目的と舞台裏」
ヤフーが社長交代を発表。宮坂学社長が退任し、後任には川邊健太郎副社長が就く。記者会見で、宮坂・川邊両氏がその目的と舞台裏を明かした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.