後発の「ゆで太郎」がそば業界首位になった理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)
「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」のそばを提供して急激に店舗数を増やしているのがゆで太郎だ。今回は、後発ながら富士そばや小諸そばを追い抜く原動力となった同社のこだわりと戦略を紹介する。
独立開業を支援する仕組みが充実
04年12月には、東京都品川区にFCのモデル店として、ゆで太郎システム直営の西五反田本店を出店。それが快進撃の始まりとなった。07年10月、千葉県市原市に同直営5号店の五井白金通店をオープンして、郊外ロードサイドに初進出。この店が成功して、現在では駐車場を持つ郊外型が店舗の7割を占めるようになった。
「ゆで太郎とほっかほっか亭には多くの共通点があります。良い材料を使うこと、シンプルなマニュアル化ができていること、低価格の日常商品を提供することです。レストランと中食の製造販売という違いはありますが、それ以外はそっくりそのままです」と、池田社長はほっかほっか亭での経験がゆで太郎に生きていると強調した。
FCの加盟には3500万円が掛かり、FCのロイヤリティーは売り上げの5%となっている。チェーン店の継続性と、個人店の「売れた分だけ収入が増える」モチベーションの高さを併せ持っているのがFC店の強みだという。「FCライト契約」という約300万円で独立できる制度もある。これは店舗を本部が準備するもので、経営が軌道に乗れば店舗を買い取ることもできる。
また、社員独立制度も充実している。5年以上勤務した者または店長経験者は、祝い金100万円を支給されて独立することができる。年間10人ほどが独立し、すでに3店を経営している元社員もいる。
このようにゆで太郎では、さまざまな独立開業制度がそろっている。
ゆで太郎では売り上げの4割をかつ丼や天丼、カレーライスなどのご飯物とそばのセットが占める。その点でもご飯物には「ほっかほっか亭」で培ったノウハウが生きている。
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