2015年7月27日以前の記事
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「浴衣で接客」から転換 塚田農場の新業態店佐藤可士和氏がプロデュース(1/3 ページ)

既存店の苦戦が続く塚田農場が新業態店のコンセプトを発表した。マス向けの「塚田農場」から脱却し、やや高級なブランドイメージへの転換を図る狙いがある。

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 居酒屋「塚田農場」を運営するエー・ピーカンパニーは3月15日、新業態店である「焼鳥つかだ」の概要を発表した。高級感ある店内でこだわりの地鶏を提供するスタイルで、3月22日に東京・中目黒に1号店をオープンする。想定する客単価は塚田農場より1000円高い4500円だ。今後は、焼鳥だけでなく同じようなコンセプトの炉端焼きやしゃぶしゃぶなどの店舗も出店する予定だという。

 今回の新業態店を開発するにあたり、エー・ピーカンパニーの米山久社長はブランド戦略を強く意識した。クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏にロゴ、内装デザイン、メニューなどのプロデュースを依頼したのはそのためだ。

 米山社長は「もともと、塚田農場は食のこだわりを打ち出していた。しかし、ここ4〜5年は従業員の接客が良いというブランドイメージになってしまった。上質な食材を提供する形態に回帰したい」と会見で述べた。「元気のある接客」「浴衣姿の女性従業員」で有名な塚田農場が食材の質を重視する方針に転換するのはなぜだろうか。

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浴衣姿で接客する女性従業員(出所:エー・ピーカンパニー公式Webサイト)
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新業態店の外観

 2007年に1号店をオープンした塚田農場の強みは、提携先の養鶏場で育てた地鶏を直接店舗で提供する「生販直結モデル」にあった。問屋などを通さないことで、手ごろな価格で質の高い地鶏を提供するスタイルが消費者に受け、店舗数は197店まで増えた(18年2月末)。

 だが、近年はモンテローザの「山内農場」といった類似店が登場したことや、居酒屋離れが進んだことから苦戦を強いられていた。ここ数年、同社の外食事業における既存店の売上高と客数は前年比マイナスの状況が続いている。苦境を脱出するためには新たな戦略を打ち出す必要があった。

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米山社長(右)と佐藤可士和氏(左)
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