マスコミが「官僚の不正体質」より「内閣」を叩く、その背景:スピン経済の歩き方(2/6 ページ)
2014年に安倍政権が作った「内閣人事局」を巡る報道が、「忖度」によってゆがめられている。官僚を被害者のように触れ回る報道の裏には、高級官僚に対するマスコミの「忖度」がある。なぜマスコミが忖度するのかというと……
普通の人を狂わせる「官僚主義」
そう聞くと、世界一優秀だと言われる官僚の皆さんをディスって、何か恨みでもあるのかと思われる方もいるかもしれないのであらかじめ断っておくと、筆者は「官僚」という立場にある人々を攻撃しようなどという気はサラサラない。
官僚は身内にもいるし友人・知人にもわりといるので、大多数の人間が国民のためになることをしたいと心の底から思っている「マジメな公僕」だということは身をもって知っている。酒を酌み交わしてみれば、身のまわりにいる人間と何も変わらない。スーツを脱げばよき父であったり、よき夫であったりするごくごく普通の社会人である。
ただ、そういう普通の人が霞が関という「ムラ」にズッポリとつかって、一人一人の責任が分散される「官僚」として振る舞った途端、モラルやルールおかまいなしに組織防衛へ走ってしまう。そんな普通の人を狂わせる「官僚主義」が問題だと申し上げているのだ。
内閣の責任がないなどと言っているわけではない。もし安倍夫妻が関与しているのなら、国民に対して1年以上もうそをつき続けてきたわけだから、これはもう即座に議員辞職していただき、国会前で抗議をする方たちが主張するように、「監獄送り」になってもしかるべきだと思う。
ただ、そうやって政治の責任を厳しく追及するのなら、実行犯であり、「前科」もある官僚組織に対しても同じくらい厳しい目を向けるのが筋だ。にもかかわらず、一部マスコミは厳しい目どころか、「気の毒な被害者」として必死にかばっている。しかも、これまでの「不正体質」などなかったかのように、「内閣人事局が悪い」と触れ回っている。
野球大会の始球式に現れたグラビアアイドルに男子中学生が押し寄せてあわや大惨事という騒動を受けて、「あんなに肌を露出させて、いたいけな子どもたちを誘惑する方が悪い」とグラビアアイドルにバッシングをするくらい無理筋のクレームだ。
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