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中国人観光客を締め出しても、「日本の花見文化」が守れない理由:スピン経済の歩き方(4/6 ページ)
「お花見」の経済波及効果が注目されているが、実は不安材料もある。それは「中国人観光客」。彼らに対する「被害者意識」が、好調なインバウンド消費にブレーキをかけてしまうのではないか。
「花見酒の経済」の負のスパイラル
やはり先人の知恵は偉大というか、実はこの落語、「観光」や「伝統文化」にまつわる経済活動が抱えている問題点を、これ以上ないほど分かりやすく説いている。
サービスの供給者も客も日本人だけなので、年を追うごとに減少してじわじわと疲弊していく。もうけも減るので、インフラや施設への投資も促進されず、サービスの質も落ちていく、という「花見酒の経済」にありがちな負のスパイラルに陥る。そして最悪、これまで守ってきた「観光資源」や「伝統文化」も維持できなくなってしまう。
過疎化が進むムラに、どんなに素晴らしい伝統的な技術や文化があったとしても、そのムラに後継者がいなくなればその技術や文化が滅んでしまうのと同じ理屈だ。
なんてことを言うと必ずといっていいほど、「いくら金のためとはいえ、自国民が苦しみ、その文化に敬意を払わないような連中をもてなすのは間違っている」とか言い出す人もいるが、もしわれわれがそういう主張をしていることを耳にしたら「よく言うよ」と失笑する人たちが実は世界中には大勢いる。
日本国内のメディアの情報ばかりをみていると、「中国人観光客」のように傍若無人で、いく先々でトラブル続発の迷惑な人たちなど前代未聞のような印象を受けるだろうが、実はかつてもっとすさまじい人々がいた。
「日本人観光客」である。
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