ぐるなび、外国人バイトの紹介ビジネスに参入:不法就労のリスクを減らす(1/2 ページ)
ぐるなびが飲食店に対して外国人のアルバイトを紹介するサービスを始めた。事前にVISAなどを確認し、外国人の雇用に関わるリスクを低減するのが肝だ。
「日本人が雇えないから外国人を雇わざるを得ない」「外国人を雇うのには不安がある」――。飲食店のそんな不安を解消するサービスをぐるなびが3月27日から始めた。日本国内の外国人に就労情報を提供するaim(東京都港区)と業務提携して提供する。
サービス名は「ぐるなび PRO アルバイト確約面接」。都内23区と大阪市内の飲食店に外国人のアルバイト候補者を紹介する。候補者はあらかじめaimの1次面接を受けて滞在資格のチェックを受けるとともに、希望の職種を伝える。その後、ぐるなびが飲食店と候補者の面接を設定するという流れだ。サービスを利用する店舗は事前に5回分のチケットを14万円(税抜き、通常プランの場合)でぐるなびから購入する。
ぐるなびの広報担当者は新サービスの背景について「飲食店の人手不足を解消するため」と説明する。18年1月に厚生労働省が発表した飲食業の「接客・給仕」分野における有効求人倍率は4.29倍。全体の有効求人倍率である1.59倍を大きく上回る。飲食店は「求人広告を出しても応募がない」「働き始めてもすぐに辞める」という状況に苦しんでいる。同サービスを通してミスマッチを解消するのが狙いだ。
もともとぐるなびは飲食店に対してWeb販促などのコンサルティング事業を展開している。ぐるなびのサービスに加盟している約16万店舗が対象だ。飲食店向けのサービスの一環として同事業を立ち上げた。
外国人向けの就労支援ビジネスは拡大している。ぐるなびと業務提携するaimは「YOLO JAPAN」という外国人向けにアルバイト情報などを発信するサイトを16年から運営している。サイトの登録者数は3万2000人を突破した。aimの広報担当者は「登録者には留学生が多い。日本語学校に通いながら働きたいと考えている外国人がサービスを利用している」と説明する。
厚生労働省の調べでは、17年10月時点で日本国内で働く外国人労働者の数は約128万人。08年から80万人も増えた。大手外食チェーンの役員が「外国人労働者は日本人のアルバイトが嫌がる深夜の時間帯や休日でも積極的に働いてくれる」と説明するように、国内で働きたい外国人と飲食店をマッチングさせる事業のニーズは確実に高まっている。
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