ぐるなび、外国人バイトの紹介ビジネスに参入:不法就労のリスクを減らす(2/2 ページ)
ぐるなびが飲食店に対して外国人のアルバイトを紹介するサービスを始めた。事前にVISAなどを確認し、外国人の雇用に関わるリスクを低減するのが肝だ。
一蘭の店舗で不法就労
ぐるなびが始めた新サービスの肝は、外国人労働者を不法就労させるリスクを低減させる点にある。aimはもともと英会話スクールを母体としており、外国人のビザなどをチェックするノウハウは持っていた。
日本の法律を守りながら外国人労働者を就労させるのは難しい。象徴的な事件が豚骨ラーメン店の一蘭で起きた。
「道頓堀の店舗には約500人の外国人スタッフがいた。店長の管理不足により10人を違法に働かせてしまった」
一蘭の広報担当者は大阪市内の店舗で不法就労が起きた背景をこう説明した。
大阪府警は3月上旬、外国人留学生らを法定上限(週28時間)を超えて就労させたとして、一蘭を入管難民法違反で書類送検した。さらに、外国人留学生を雇用した際に必要な書類申請を怠ったとして、雇用対策法違反の疑いでも書類送検している。
一蘭が運営する店舗数は74店(17年12月時点、以下同)。店舗で働くアルバイトは5786人。そのうち外国人の割合は約2割だ。「人手が足りないのはもちろん、外国人観光客の接客に外国人スタッフは必要不可欠」(同社広報)というように、外国人頼みの状況が続いていた。不法就労が起きた店舗はインバウンド需要の高まりを背景に、1日6000人が来客していた。多忙な店長が従業員の就労状況を細かく管理するのには無理があったのだ。
大手チェーンですらこういった状況なのだから、中小の飲食チェーンや個人事業主が経営する小規模店では外国人労働者を雇うリスクはさらに高まる。外国人労働者の雇用支援サービスに商機を見出す企業は今後も増えるだろう。
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