ローソンストア100 「お好み焼おにぎり」に込めた開発者の思い:工場で1枚ずつ手作り(1/2 ページ)
ローソンストア100が「具のせおにぎり」シリーズを強化している。ロングセラー商品のかき揚おにぎりに加え、お好み焼やたこ焼をのせた新商品を投入する。どんな狙いがあるのか?
ローソンストア100は3月27日、ご飯の上に具材をのせた「具のせおにぎり」シリーズの新商品を4品投入すると発表した。
3月28日から「たこ焼おにぎり」(100円、税抜き、以下同)と「お好み焼おにぎり」(100円)を発売する。4月4日には「たれ唐揚おにぎり」(100円)と「かつ丼風おにぎり」(100円)を発売する。
実はローソンストア100では具のせおにぎりシリーズが隠れたヒット商品になっている。具のせおにぎりが生まれた背景と、4商品を一気に投入した狙いを取材した。
具のせおにぎりシリーズの歴史は約10年前にさかのぼる。かき揚をおにぎりにのせた「かき揚おにぎり」(100円)が元祖だ。広報担当者は「当時、POSデータを分析したところ、おにぎりとカップラーメンを一緒に買うお客さまが多かった。おにぎりにおかずを加えて定食として成立させる狙いがあった」と説明する。
当時、ハワイのABCマートでスパムおにぎりが流行していたことも影響している。スパムおにぎりはランチョンミート(ひき肉に調味料などを入れて缶に詰めたもの)をご飯の上にのせたものだ。日本では具をご飯の中に入れるのが当たり前だった。具を上に置くことで目新しさが出ると考えた。
このかき揚おにぎりが毎月約10万個売れるロングセラー商品となった。ローソンストア100で最も売れているおにぎりはスタンダードな鮭味だ。毎月約20万個売れている。数では見劣りするが「かき揚げおにぎりのような特色ある商品が10年以上、毎月10万個売れ続けるのは珍しい」(広報担当者)という。
かき揚おにぎりは、顧客を飽きさせないようにタレや具材を季節ごとに変える工夫もしている。夏はあっさりとした味付け、冬はこってりとした味付けにする。秋になるとかき揚の具にサツマイモやキノコを入れる。
かき揚は1枚ずつ手揚げしている。専用のおたまでタネをすくって油に入れる。これが可能なのは、ローソンストア100の店舗数が801店(18年1月時点)とコンパクトなためだ。
具のせおにぎりシリーズをさらに拡大するため、17年9月に「味付たまごおにぎり」を発売したところ、翌10月には20万個売れるヒット商品となった。その後も月平均12万個売れる定番商品になった。この勢いに乗って、新たに4商品を投入することになった。
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