特集
ウソの求人情報を出すブラック飲食店の言い訳:飲食業界の働き方改革(2/2 ページ)
人手不足に悩む飲食業界。人材が定着しないことが大きな原因の1つだ。抜本的な改善策は従業員の待遇改善だが、だましだまし求人活動を行う飲食店も少なくない。
ブラック飲食店に未来はない
求人情報に実態と異なる記載をする飲食店は少なからず存在するという。
「業績連動型の賞与を支払うと説明する店舗がありますが、実際には支給されないケースもあります。当社では前年度の支給実績を聞いたり、賞与の定義を事前に聞き出したりするようにしています」
提示された条件よりも実際の休日が少ないケースもある。「当社が指摘をすると『あともう1人採用できれば、求人情報通りの待遇にできます』と言い訳をされたこともありました」
久田部長は労務環境と福利厚生が十分に整備されていない飲食店が少なくないことを嘆く。業界のトレンドは明らかに従業員の待遇を改善する方向で動いている。例えば、串カツ田中は年間休日数を最大で117日まで増やす方針を発表した。年間12万〜24万円の支給増となる賞与も新設した。すかいらーくは運営する店舗の深夜営業廃止を打ち出している。待遇改善ができない飲食店が優秀な人材を獲得できなくなりつつあるのは明らかだ。
だましだまし求人活動を行うブラック飲食店に未来はない。
関連記事
- ぐるなび、外国人バイトの紹介ビジネスに参入
ぐるなびが飲食店に対して外国人のアルバイトを紹介するサービスを始めた。事前にVISAなどを確認し、外国人の雇用に関わるリスクを低減するのが肝だ。 - 「休日を毎年3日ずつ増やす」 串カツ田中の狙い
高い離職率に悩まされてきた串カツ田中が新しい福利厚生策を導入する。「外食産業は待遇が悪くて離職率が高い」というイメージを払拭できるだろうか。 - マニュアル改革で離職率ダウン すかいらーくの戦略
すかいらーくが紙中心だった業務マニュアルや手順書のデジタル化を進めている。品質向上だけでなく、従業員の定着率向上にもつながるという。 - 「ドミノ・ピザ」が再び急成長しているワケ
「ドミノ・ピザ」が再び急成長している。宅配ピザ業界で首位に立つ「ピザーラ」を追い抜く勢いだが、なぜ好調なのだろうか。その理由は……。 - ココイチが急速に“マンガ喫茶化”しているワケ
カレー専門店の圧倒的シェアを誇り、独走を続けるCoCo壱番屋(ココイチ)。近年、そんなココイチが急速に“マンガ喫茶化”しているのをご存じだろうか……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.