ニュース
RIZAPが「野菜」にコミットした本当の狙い:多角化の一環(2/2 ページ)
RIZAPはアパレルやエンタテインメント関連の事業に次々と乗り出している。2018年4月から野菜に関するあるサービスにコミットすると発表したが、その中身とは?
法人だけでなく自治体からも引き合いが増える
RIZAPが法人向け健康セミナーを開始したのは17年5月だ。背景にあるのは従業員の健康増進・疾病予防を図る「健康経営」に対する意識の高まりだ。長期的に生産性の向上にも役立つので、企業からの引き合いは増えているという。
具体的な成果も出ている。あるメーカーでは社員の健康意識向上のためにさまざまなセミナーを開催してきたが、参加者が10人程度と低迷していた。RIZAPが工場で健康セミナーを開催すると告知したところ、200人の応募があった。セミナー終了後、社員食堂で低糖質の食事を選択する社員が増えた。さらに、1年後の健康診断では社員のBMI平均値が昨年対比で減少したという。RIZAPのブランドが社員の関心を高めるのに役立った。
医療・介護コストを抑えたい自治体向けのプログラムも提供している。17年には静岡県牧之原市や長野県伊那市で住民に講義とトレーニングプログラムを提供した。広報担当者は「住民の健康寿命を延ばしたいと考える自治体から当社への引き合いは増えている」と説明する。
RIZAPはテレビCMなどを駆使して老若男女にブランドイメージを浸透させた。ブランドが健康への関心が低い層に「RIZAPのセミナーなら足を運んでみようかな」と思わせる原動力になっている。健康セミナーを開催する競合他社は他にもあるが、差別化に成功している事例と言えるだろう。
関連記事
- 社長が語る「ライザップ経済圏」とは
なぜいまライザップグループはアパレルに参入するのか。また、住関連領域から介護まで多角的な経営を推し進める裏にある競争優位性とは何か。瀬戸健社長に今後の展望と戦略を聞いた。 - ライザップはなぜ「結果にコミットできる」のか
ライザップに行くと、なぜ痩せることができるのか。前回、代謝を上げ、エネルギー消費を高めるための「筋力トレーニング」と、太りやすい原因となる糖質をカットする「低糖質食事法」について触れたが、痩せるメソッドのポイントは、もうひとつある。それは……。 - 「ドミノ・ピザ」が再び急成長しているワケ
「ドミノ・ピザ」が再び急成長している。宅配ピザ業界で首位に立つ「ピザーラ」を追い抜く勢いだが、なぜ好調なのだろうか。その理由は……。 - ココイチが急速に“マンガ喫茶化”しているワケ
カレー専門店の圧倒的シェアを誇り、独走を続けるCoCo壱番屋(ココイチ)。近年、そんなココイチが急速に“マンガ喫茶化”しているのをご存じだろうか……。 - 6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由
6畳弱の狭い物件が人気を集めていることをご存じだろうか。物件名は「QUQURI(ククリ)」。運営をしているピリタスの社長に、その理由を聞いたところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.