2015年7月27日以前の記事
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松屋とすき家に「牛丼並盛」の値上げをためらわせた「吉野家の悪夢」吉野家は後悔?(2/2 ページ)

松屋とすき家は相次いで値上げを行っている。原因は原材料費と人件費の高騰だが、主力の牛丼並盛の値上げは両社とも見送っている。背景にあるのは「吉野家の悪夢」かもしれない。

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値上げで客足が遠のいた吉野家

 吉野家は主力である「牛丼並盛」の価格改定をしたのは14年12月。300円から380円に値上げした。当時、牛肉の主要輸入国である米国で干ばつの影響から出荷量が減少したことや、アジア市場での需要拡大が背景にあった。それ以降、吉野家では牛丼並盛の価格改訂は行っていない。

 牛丼並盛の値上げにより客足は遠のき、15年1月における既存店の客数は対前年同月比で82.2%にまで落ち込んだ。影響は次の年度にも及び、15年度通期における既存店の客数は前年度比で88.5%だった。16年度も客足はなかなか戻らなかったが、17年度になってやっと客数が上向いてきた。吉野家の広報担当者は「ソフトバンクの『SUPER! FRIDAY』や自社で発行する『毎日80円引き! 定期券』のおかげで客数の底上げができている」と説明する。

 この「吉野家の悪夢」ともいうべき現象を松屋とすき家が見逃すはずはない。主力である牛丼並盛の値上げをためらわせる要因の1つになったはずだ。原材料費や人件費が高騰した分を牛丼並盛以外に転嫁した背景にはこういった事情もあったのだろう。

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