人の心を操る“社員”にご用心 彼らの手口を紹介する:常見陽平のサラリーマン研究所(1/3 ページ)
巧みなワザを使って、人を振り回す“ホスト的社員”がいる。商談を有利に導くために、彼ら・彼女らはどのようなワザを繰り広げているのか。筆者の常見陽平氏が紹介する。
本日(4月5日)は、娘の保育園入園式である。筆者の髪の毛の色は金髪に近い茶髪なので、保護者の中で浮きそうである。でも、大丈夫。なぜならサラリーマン時代に着用していたネクタイを引っ張り出して、親風のコスプレを演じるからだ。
育児をしていると驚きの連続である。例えば、娘の成長を通じて、自分の子ども時代を思い出すわけだが、幼少期(いや、小学生くらいまで)にいくつかの言葉を誤解していた。親から「お菓子の食べ過ぎは、体によくないわよ」と何度も言われていた。ちょうどそのころに、スナックで事件が起きていて、メディアが「このスナックで〜〜」などと報じていた。この2つのワードが重なって、当時の筆者は、スナックとは「大人たちが集まってお菓子を食べるところ」だと思い込んでいたのだ。
同じように、ファミリーレストランの「ロイヤルホスト」も誤解していた。メディアが「女性たちがホストクラブのホストにハマっている」と報じていたので、「ロイヤルホストとは、その中でも最高峰で、悪い大人が集まって、カネを湯水のように使う場所だ」と勘違いしていたのだ。そんなことはないだろうと思われたかもしれないが、信じ込んでいたのだから仕方がない。よーく考えれば、ファミレスの中でロイヤルホストのメニューは高いモノが多いので、1割くらいは当たっているのかもしれない(当たっていないかもしれない)。
そのホストである。最近、複数の若い女性から「ホストクラブに行ってきた」といった話を聞いた。なにが楽しいのか? 男性に接客され、高い料金を支払う。女性たちに聞いたところ「自分をお姫さまのように扱ってくれて、チヤホヤされるのがたまらない」という。考えてみれば、男性も同じである。銀座や六本木のクラブに行って「自分を王様のように扱ってくれて、持ち上げてくれるのがたまらない」というオジサンも多いはず。
このように書いていて、ふと思い出したことがある。ビジネスの現場でホスト的なトークをする人間がいることを。取引先や社内の同僚を気持ちよく躍らせ、うまく手なずける。いわば“魔法のトーク(テクニック)”というやつだ。
商談や会議の席はもちろん、メールのやりとり、プレゼント、サプライズなど、あらゆる手段を使って相手を喜ばせようとする。そして、うまく扱って、自分の思い通りに従わせる。
そんなホスト系社員に振り回されないために、私たちはなにをすればいいのか。事前に彼ら・彼女らの手の内を理解していれば、本番で役立つはずだ。というわけで、今回のコラムは、ホスト系社員の手口をご紹介しよう。筆者がサラリーマン時代に見聞きしたこと、仕事で会った人から学んだものばかりだ。
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