「+メッセージ」なぜ開発? 3大キャリアが異例の共同会見:LINEとの違いは(2/4 ページ)
大手キャリア3社が、コミュニケーションアプリ「+(プラス)メッセージ」を5月9日にリリースすると発表。メッセージサービスでは「LINE」がユーザーに広く浸透しているいま、なぜキャリアはこうしたサービスを始めるのか。各社が異例の“共同会見”で報道陣の質問に応じた。
LINEへの対抗意識は?
――「+メッセージ」は「LINE」に対抗して開発したのか。
NTTドコモ スマートライフビジネス本部 藤間良樹担当部長: 「+メッセージ」は、あくまでSMSの機能拡張であり、正当進化だ。LINEへの対抗という意識はない。
KDDI 商品・CS統括本部 サービス企画部 金山由美子部長: 多くのユーザーに使っていただける“ユニバーサルサービス”にするために開発した。UI(ユーザーインタフェース)面でも安心して使ってもらいたい。
ソフトバンク テクノロジーユニット AIデータコンサルティング部 千葉芳紀部長: コミュニケーションを円滑にするのは“キャリアの使命”だと考えて開発した。
――ビジネス層も狙うとのことだが、LINEとどう差別化を図るのか。
KDDI金山氏: ID・パスワードなどのユーザー登録が不要で、スマホを入手した時点ですぐ使える点が大きい。やりとりに電話番号を使用するので、話し相手が誰なのか明確に分かり、安全性を担保した点も特徴だ。
なぜいま手を組んだのか
――なぜ、このタイミングで手を組むことを決めたのか。
SB千葉氏: キャリア間での議論は以前から続けていた。(RCSの)世界標準が確立されて導入事例が増えたため、このタイミングでアプリの共同リリースに踏み切った。
――過去10年を振り返ると、キャリアは「プッシュトゥトーク」(ボタンを押している間だけ話せる通話方式)など多岐にわたるコミュニケーションツールを世に出してきたが、どれも定着しなかった。「+メッセージ」は以前のものと何が違うのか。
SB千葉氏: やりとりできる相手を広げられる点が異なる。過去のサービスは特定のキャリア間だけで利用でき、他社と連携できなかったため広がらなかった。今回はMVNOにも広げる計画なので、普及する余地が十分にあると考えている。
――MVNOとはどのように連携するのか。海外キャリアと連携する予定はあるのか
ドコモ藤間氏: MVNOとの連携は、これから各社と話し合いたい。海外キャリアとも将来的には接続する方針だ。
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