スシロー、好調の「カフェ部」に新作 BAKEコラボの「チーズアイス」:「赤シャリ」にも初挑戦
回転すしチェーンのスシローがスイーツに力を入れている。「スシローカフェ部」の新作はBAKEとコラボした「チーズアイス」。スイーツの取り組みでアイドルタイム活用や新規層の獲得に期待を寄せる。
回転すしチェーン「スシロー」を運営するあきんどスシローは、4月11日から期間限定でスイーツ「チーズアイス クッキー&ブルーベリー」を発売する。チーズタルト「BAKE CHEESE TART」などで知られるBAKEプロデュースのオリジナルデザートで、「クッキーの食感とブルーベリーの酸味とともにチーズアイスを楽しめる」という。
スイーツ強化「カフェ部」
スシローの2018年度上期(17年10月〜18年3月)の業績は好調。水留浩一社長は「全店の売上高は2桁成長を果たし、既存店売上高も昨対比100%を超えている。上期を順調に終えることができた」と振り返る。
すしネタの充実、フードコートモデルの「スシローコノミ」、新業態の居酒屋「杉玉」――と、新しい挑戦を重ねてきたスシローグループ。中でも大きな話題を呼んだのがスイーツ強化の取り組みだ。
社内横断型のチーム「スシローカフェ部」を立ち上げ、17年11月にアップルパイ専門店「グラニースミス」監修のアップルパイを発売。予定していた50万皿が完売となった。また、3月にはイチゴをふんだんに使った「苺すぎるパフェ」を発売し、税別980円というスシロー商品内で最も高い価格帯ながらも好評。SNSでの投稿数も多い。
スイーツは、すしチェーンの課題であるアイドルタイム活用や、新しい利用者層へのアピールへの効果が期待されている。4月12日発売の「チーズアイス クッキー&ブルーベリー」も、スイーツ強化の流れにある商品だ。スシローカフェ部の村井友梨香部長は「チーズの特徴を知り尽くしているBAKEさんに、本格的なデザートを開発してもらった。BAKEの店舗では売っていない、スシローの店舗限定商品」とアピールする。今後は、スシローカフェ部の商品だけを集めた期間限定ショップの構想もあるという。
「赤シャリ」への挑戦
メインのすしにも“初挑戦”がある。近年トレンドになっている、赤酢を使った「赤シャリ」を期間・数量限定で提供。4月12〜22日に、赤シャリに合うマグロや青魚のメニューを提供するほか、期間内は全てのすしが赤シャリとなる。
水留社長は「スシローはこれまで天然魚にフォーカスしてきた。赤シャリはネタの味の違いを感じてもらいやすい。すし文化の中でも歴史的な位置付けがある赤シャリを楽しんでいただければ。通常のシャリに慣れ親しんでいるお客さまもいることが予想されるので、お客さまの声や来店頻度などを確認した上で、次のチャレンジに生かしたい」と話す。もし好評であれば、継続して赤シャリのメニューが登場することになるようだ。
5月には、初の試みである「肉すし」や、復刻メニューも予定している。すしチェーン首位を走るスシローだが、“攻めの姿勢”で挑戦を続ける。
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