あなたの個人情報、Facebookにこれほど吸い上げられている:世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)
Facebookの個人情報が不正に集められて米大統領選に使われたことが指摘され、騒動となっている。しかし、無料で利用できるFacebookやGoogleが個人情報を利用してビジネスをしていることは驚くことではない。どのようなデータが吸い上げられているかというと……
Facebookはどれほどの個人情報を持っているのか
3月27日、米CIA(中央情報局)のエドワード・スノーデンは、「いかにFacebookとGoogleがあなたの信頼を不正使用しているかを示す精巧な詳細である」と投稿し、データコンサルタントの男性の投稿をリツイートした。
このコンサル男性は、Facebookがいかにユーザーのデータを残しているかを、自分のアカウントを使って明らかにした。その様子は後日、英ガーディアン紙にも掲載されたのだが、Facebookが所有する彼の情報は膨大だった。
Facebookには、ユーザー個人の情報をFacebookがどれほど保有しているのかをチェックする機能がある。こちらがそのリンクだ。ここから情報をダウンロードすると、自分のメッセンジャーのやりとり、交換したファイル、連絡先などの個人データが全て一括でダウンロードできる。あなたの情報をFacebookがどれほど集めているかが一目瞭然だ。
またFacebookは、あなたが「いいね」した内容や、あなたや友達が話題にした内容も記録している。さらに、使っているアプリはもちろん、どこでログインしたかについてのデータを持っている。もっと言うと、Facebook上で行ったことは全て把握され、記録されてしまっているのである。
こうした「自分」情報の中で、ちょっと違和感があるのは、さまざまな情報を基にFacebookがまとめた「広告トピック」だ。つまり広告を掲示するために、あなたがどんなことに興味があるのかがキーワードでリストアップされている。それを確認すると、確かに興味のある単語が並んでいる。
さらにこれよりも気持ち悪いのは、登録したこともないのに、自分が購読している新聞やサービスなどがリストアップされた「あなたの連絡先情報を持っている広告主」というものだ。どこでどのようにこんな情報を手に入れたのか、不思議である。
もちろんこうしたデータはFacebookしか持っていないものだが、今回のケンブリッジ・アナリティカの疑惑のように、これらの情報が第三者に勝手に渡っている可能性があるとすれば、かなり不快である。
そもそもFacebookは、そのようなデータなどをベースに広告を掲示し、収益を得ている。Facebookは収益のほとんどを広告から得ている。つまり私たちの情報を使ってカネを稼ぎ、その代わりに、人々が楽しむサービスを無料で提供しているのである。ただそれが別用途で勝手に使われるのは確かに問題だ。
関連記事
- 「民泊」解禁目前 “先輩”国で起きているトンデモ事件とは
6月の住宅宿泊事業法(民泊法)の施行を目前に控え、民泊に関するニュースをよく聞くようになった。民泊をすでに導入している“先輩”国で起きている出来事とは…… - 欧米メディアも報道できない、伊調馨「パワハラ問題」の真実
レスリング選手の伊調馨氏が日本レスリング協会の栄和人強化本部長からパワハラを受けているという告発があった問題。海外メディアはほとんど報じていない。後追い報道が続々と出てきて、騒動の本質がつかみづらくなっている。 - 民泊事件で使われた、出会い系アプリ「Tinder」の実態
兵庫県三田市の女性(27)を殺害したとして、米国籍のヴァシリエヴィチ容疑者が逮捕された。容疑者と被害者が知り合ったのは「Tinder(ティンダー)」というアプリだったそうだが、こうした出会い系アプリを使うことでどんな事件が起きているのか。海外に目を向けると……。 - 人気者になるために、フォロワー購入はズルいことなのか
TwitterのフォロワーやFacebookの「いいね」の数を大量に購入している――。米ニューヨーク・タイムズ紙が購入者を実名で明らかにしたが、こうしたズルい行為のどこに問題あるのか。私たちの生活には関係ないと思っていたら……。 - テレビに進出したユーチューバーはなぜ失敗したのか
米CNNが大きな失敗をした。大物ユーチューバーを取り込んで、新たなコンテンツを発信する予定だったが、うまくいかずに大コケ。なぜテレビ局とユーチューバーは融合することができなかったのか、その原因を探ったところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.