“相撲界のドン・キホーテ”を気取った貴乃花親方の誤算:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/5 ページ)
貴乃花親方の没落ぶりが哀れである。元横綱日馬富士の暴行事件が発覚した当初は間違いなく世間のヒーローだったのに、いまは地位や名誉を失い、年収も大幅に減少する。なぜこのような事態に陥ったのかというと……。
日本相撲協会の土俵外におけるゴタゴタがなかなか沈静化しない。
京都府舞鶴市で行われた大相撲の地方巡業の際、土俵に上がって救命活動をした女性に対し、行司が土俵から降りるようにアナウンスしたことで今も「女人禁制」の議論が活発化している。協会幹部が謝罪したように、行司の発した言葉は「失言」の一言では済まされない大失態だ。
それだけではない。静岡市で開かれた地方巡業で、「ちびっこ相撲」に参加予定だった小学生の女の子が、日本相撲協会からの事前要請で土俵に上がれないという問題が明らかに。この騒動に対して、協会側は「安全面を考慮した措置で、女性が土俵に上がれない話とは別問題だ」としているが、ネット上では「それなら男の子も土俵に上げるべきではない」といった声が出ている。次から次に問題を起こす協会の言動には、あきれるばかりだ。
4月11日放送の『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)では日本相撲協会評議員会議長の池坊保子氏が電話インタビューに対し、「部外者の方の意見を参考にしながら、協会が当事者なんですから考えていくと思う」「伝統というのは古いから伝統なのではない」などと述べ、独自の見解を主張。だが、ネット上では「上から目線だ」「“部外者”という言葉遣いはおかしい」などの辛らつな声が飛び交っており、炎上モードになっている。
どちらかと言えば池坊氏はもともとネットユーザーから毛嫌いされている傾向が強いとはいえ、今や大相撲絡みの問題は誰が何を言っても波風の立つ流れが当たり前になりつつあるようだ。
それは、かつてのヒーローにも同じことが言えるだろう。貴乃花親方だ。彼は気がつけば地位と名誉、さらには所得まで失って悪者になっていた。3月末、日本相撲協会の理事会で貴乃花親方は弟子で十両の貴公俊が春場所中に起こした暴行問題の監督責任や場所中に無断欠勤した勤務態度などを問われ、委員から年寄への2階級降格処分が下された。年寄は7階級ある親方の位の中で最も下にあたる。
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