“相撲界のドン・キホーテ”を気取った貴乃花親方の誤算:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/5 ページ)
貴乃花親方の没落ぶりが哀れである。元横綱日馬富士の暴行事件が発覚した当初は間違いなく世間のヒーローだったのに、いまは地位や名誉を失い、年収も大幅に減少する。なぜこのような事態に陥ったのかというと……。
貴乃花親方の年収は大幅にダウン
貴乃花親方の降格はこれで3度目だ。まず1月には元横綱日馬富士による弟子の貴ノ岩への傷害事件を巡り、協会に反発するようになるなど巡業部長としての対応の責任を問われて理事を解任され、2階級下の役員待遇委員に降格となった。その後も理事候補選挙で落選したことで、その慣例として1階級下の委員に降格となっており、わずか3カ月で5階級も降格したことになる。
所得も激減だ。各メディアでも報じられている通り、月給で換算すると理事当時は144万8000円を手にしていたものの年寄になると80万8000円に下がり、実に64万円もの減額を強いられるという。普通に考えて約44%ものダウンは痛い。
年額賞与も約280万円から約156万円に下がり、理事時代にもらっていた2000万円前後の年収は一気に1200万円近くにまで急降下するものとみられている。ただ、他の親方から「解雇が妥当」という強硬意見が出ていたことを考えれば、まだ“平年寄”の階級に踏みとどまれただけでも御の字と言えるかもしれない。
それにしても貴乃花親方の没落ぶりは哀れだ。元横綱日馬富士の暴行事件が発覚した当初は間違いなく世間のヒーローだった。被害者である弟子の貴ノ岩を日本相撲協会の“隠ぺい工作”から守ることを大義名分に掲げ、旧態依然とした組織に反旗を翻した当初は間違いなく多くの一般大衆を味方につけていた。
そして、この貴乃花の乱は、元日馬富士の暴行現場にいながら当人を止められなかったとして減給処分を食らった横綱白鵬や横綱鶴竜らモンゴル人力士の親分格たちにも飛び火。彼らが馴れ合いから星勘定の回し合いを行っているのではないかとされる疑惑を呼び起こすまでに至った。
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