“ビッグデータが取れる”ディスプレイ発表 KDDIは何を仕掛ける?:“働き方改革”にも効果あり?
KDDIが、大型ディスプレイを活用してビジネスを効率化するサービス「KDDI Interactive Display」をスタート。多人数での同時操作、バーコード読み取り、ビッグデータ取得などが可能。会議、展示会、宣伝といった用途を見込む。
KDDIは4月17日、大型ディスプレイをビジネスの効率化に活用するサービス「KDDI Interactive Display」をスタートした。多人数での同時操作、バーコード読み取り、ビッグデータ取得などが可能なディスプレイを法人向けに導入し、設定、運用、データ分析などとパッケージ化して提供。会議や展示会、宣伝といった用途を見込む。製造業や小売業、イベント関連業などが主なターゲットに想定する。
タッチポイントは無制限 会議で便利
提供するディスプレイは、55インチの「Multitaction(マルチタクション)」。1面当たり32個の赤外線カメラを搭載し、タッチポイントを無制限に検出できる点が特徴だ。動画、画像、PDF形式の文書など異なる資料を同時に表示できるため、会議で複数人に資料を配布し、それぞれがタッチ操作でめくりながら閲覧する――といった用途に対応する。
カメラがユーザーの腕の傾きを取得・分析し、顔の位置を識別する機能も持つ。複数人がディスプレイを囲んで異なる資料を閲覧する場合などに、それぞれが見やすい向きで資料を表示することも可能だ。
近距離に位置する同機種のディスプレイと最大32台まで接続し、資料を転送することなどもできる。
KDDI ビジネスIoT企画部の原田圭悟部長は、「思考を妨げない操作感が特徴。1年ほど前から一部企業に試験導入を行い、一定の成果が出たため世に出すことを決めた。企業の会議を効率化することで“働き方改革”につなげられそうだ」と説明する。
バーコード読み取り機能で接客を豊かに
専用の2次元バーコードを画面上に置くと認識し、任意のコンテンツを再生する機能も持つ。自動車のショールームで、クルマを模したオブジェの裏側にバーコードを設けておき、顧客が興味を持ったものを配置すると資料が表示される――といった用途も可能で、接客の幅を広げられるとしている。
KDDIも4月から、飯田橋オフィス(東京都千代田区)のロビーに同ディスプレイを2台設置した。トイレを模したオブジェを置くと、同社が手掛けるIoT(モノのインターネット)サービス「KDDI IoTクラウド 〜トイレ空室管理〜/〜トイレ節水管理〜」の説明や、社内トイレの空き状況が表示される仕掛けなどを用意し、来客向けに提供しているという。
広告・宣伝をサポート
駅などにデジタルサイネージとして設置し、PRに利用できる点も特徴。通行人がタッチしたパネルの位置と時間のデータを取得する機能を持つため、複数の広告を表示させ、顧客の嗜好を把握することが可能。別途Webカメラを装着することで、パネルに触れた人物の性別や年齢などの属性データも取得できる。
原田部長は「従来のサイネージによる広告は、効果が分かりづらいという課題があった。当社のサービスは『いつ、どんな人が、どの商品を何回触ったか』が分かる点で他社製品と差別化を図っている」と自信を見せる。
事前に行ったトライアルではJR東日本が試験導入し、上野駅や品川駅で訪日客向けの情報発信端末として使用。商業施設の情報などを表示し、ユーザーが興味を持つ店舗のデータなどを取得できたとしている。
中小企業向けの廉価モデルも用意
価格は1台720万円(税別、以下同)。3日当たり59万円のレンタルプランも設定する。中堅・中小企業の顧客向けに、ややスペックを落とした32〜65インチのモデル「Multi-touch Display(マルチタッチディスプレイ)」(1台86万円、レンタルは3日で20万円)も用意する。
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