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ルネサス子会社の過労死事件から読み解く、「労働基準法」の病理:“ブラック企業アナリスト”が斬る労働問題(3/3 ページ)
半導体大手ルネサス エレクトロニクス子会社で工場勤務の男性が2017年1月に過労死していたことが判明。電通で新入社員が過労自殺した事件以来、長時間労働の危険性がこれほど世間で騒がれているにもかかわらず、なぜ痛ましい事件は繰り返されるのだろうか。その答えは、労働基準法による規制の甘さにあると考える。
労基法と「過労死ライン」の表現は見直すべきだ
労基法の成立から70年以上がたった。もはや労働時間の上限やペナルティーの重さが時代に合っておらず、実質的に無力化しているといっても過言ではない。国は“働き方改革”を推進しているが、労基法も時代に合わせたものに変えるよう国会で徹底的に議論するべきだ。
国が定める「過労死ライン」なる表現も見直すべきだといえよう。人間の体質には個人差があり、長時間労働への耐性は簡単に線引きできるものではない。
仮に従業員が亡くなった際に、企業が「過労死ライン」という概念を「仕事がつらそうだったが、残業が80時間未満だから過労死ではない」といった責任逃れに使う恐れもある。「このラインまでなら働かせても大丈夫」などという判断材料に使われる危険性もある。
古くから続く法律や概念を改正するにはさまざまなハードルを乗り越える必要がありそうだが、過労死事件の再発防止に向けては抜本的な見直しが不可欠だ。
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