ビッグデータで恋愛成就 「Pairs」躍進のワケ:13万人に恋人できた(2/3 ページ)
競争が激化する国内マッチングサービス市場において、多くのユーザーから支持を得ている「Pairs」。2014年にサービス開始後、日本では累計13万人の会員に恋人ができたという。運営元のエウレカ経営陣に躍進の理由を聞いた。
「いいね!」数をあえて絞る
中村氏がPairsの強みとして挙げたのは、ユーザーの質の高さだ。Pairsには短期の遊び相手や援助交際目当てのユーザーはほぼ存在せず、交際・結婚相手探しに真剣な人だけを集客できているという。
その要因は、ユーザーがアプローチできる異性の数をあえて絞っているためだ。一部の競合は1日に送信できる「いいね!」の数を原則100件などと多めに設定し、有料プランでは無制限に広げるケースが多いが、Pairsは1カ月当たり原則30件に絞っている。
「Parisは承認欲求を得るためのサービスではない。ユーザーはマッチングの数を競うことよりも、大切な人に出会うことに重きを置いてほしいと考えた。『いいね!』数をあえて限定することで、手当たり次第に相手を探すケースを防いでいる」(中村氏)
こうした「真剣なサービス」というブランドイメージを高めることで、いわゆる「出会い系サイト」と同一視されることを防ぎ、冷ややかな視線を向ける人を減らす狙いがあるという。
より親近感・信頼性を高めるため、Pairsで実際に出会ったカップルを起用した体験談を「幸せレポート」として公式Webサイトに掲載するなどの取り組みも行っている。
“恋愛ビッグデータ”も大きな武器
金子慎太郎CTO(最高技術責任者)によると、ユーザーが自由に作成できる「コミュニティ」も他社との差別化要因になっているという。「音楽好き」「スポーツ好き」といった一般的なものから、「物件の見取り図が好き」といったニッチなものまで約10万件存在し、ユーザーは共通の価値観を持つ人を見つけやすいとしている。
エウレカはユーザーの参加コミュニティのほか、体格、出身地、職種、年収――といったデータを取得し、アルゴリズムの改善にも生かしている。
マッチングや交際に至ったユーザーのデータをAI(人工知能)に機械学習させ、相性の良い要素を抽出。異性を検索した際、より統計的に“ゴールイン”する確率が高い相手を上位に表示するなど、レコメンド機能に反映している。
金子氏が会見で明かした一例によると、「岡山県生まれの女性×福島県生まれの男性」「革製品好きの女性×ドリップコーヒー好きの男性」――などが結ばれやすいという。
「競合他社がこうした仕組みを取り入れる可能性もあり得るが、エウレカには初期から蓄積した膨大なデータがある。データから生み出した独自のマッチングアルゴリズムは大きな武器だ」(金子氏)
関連記事
- 「3高」はもう古い? 現代女性が結婚したい「3優男子」とは
現代の若い女性が考える「結婚したい男性」の条件は?――ジェーシービー(JCB)調べ。 - 未婚の40・50代、理由は「出会いがない」「経済的な事情」……
結婚したいのに結婚できない人が増えている――婚活支援サービスを展開するパートナーエージェント(東京都品川区)の調査でこんな結果が出た。 - 民泊事件で使われた、出会い系アプリ「Tinder」の実態
兵庫県三田市の女性(27)を殺害したとして、米国籍のヴァシリエヴィチ容疑者が逮捕された。容疑者と被害者が知り合ったのは「Tinder(ティンダー)」というアプリだったそうだが、こうした出会い系アプリを使うことでどんな事件が起きているのか。海外に目を向けると……。 - イマドキの大学生、「恋人いて当然」は少数派
イマドキの大学生にとって恋愛は面倒、結婚は当たり前ではない――婚活支援サービスのパートナーエージェント(東証マザーズ)が実施した調査でこんな結果が出た。 - 20代男性の53.3%が「交際経験なし」 恋愛・結婚意識に「年収」は影響大
20〜40代の恋愛と結婚に関する調査結果が発表された。男女ともに結婚願望や交際経験の有無が低下する結果に……。明治安田生活福祉研究所調べ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.