節目迎えた「サンシャインシティ」「六本木ヒルズ」 なぜ好調なのか:高い集客力を維持(2/2 ページ)
東京を代表する超高層ビルが節目の年を迎えている。池袋のサンシャインシティは開業40周年、六本木ヒルズは開業15周年。ともに開業から時を経ても、高い集客力を維持している。
「街」を形成してきた六本木ヒルズ
一方、サンシャインシティとは異なるエリアを形成してるのが六本木ヒルズだ。03年の開業以来、年間の来街者数は約4000万人を維持。開業から15年間で訪れた人数は、累計6億人に上る。
人が集まる理由の1つが、今では定着している開発手法「タウンマネジメント」を先駆けて仕掛けたことだ。ビル周辺を街に見立て、オフィスや住宅、商業施設、文化施設を複合的に開発。暮らしや経済、文化が融合する街づくりに成功した。
例えば、森タワーにある森美術館は、六本木ヒルズの象徴的な文化施設。開館以来、52の展覧会を開催し、世界の芸術に触れる機会を提供している。09年から開催しているイベント「六本木アートナイト」は、約74万人が参加するアートの祭典として定着した。
また、六本木エリアには、07年に国立新美術館、サントリー美術館がオープン。16年には、世界で活動する現代美術ギャラリーなどが集まる施設「complex665」も開業した。「アートや文化の集積化が進み、日常生活の中でアートを身近に感じていただける機会が格段に増えた」(森ビル)という。
約200店舗で構成する商業エリアも好調だ。トレンドと鮮度を維持できるようにリニューアルを重ねた結果、17年の年間売上高は過去最高を更新した。
商業エリアでは、20年に向けて、施設面積の半分に及ぶ大規模リニューアルを進めている。18年は、注目度が高い「食文化」の発信拠点として、国内トップクラスの店舗を集める。レストランをはじめ、ショコラブティック、ブーランジェリー&カフェ、フードショップなど、23店舗がオープン予定だ。
開業当初は先進的なイメージがあっても、時間とともにその印象は薄れていく。常に新しい発見を提供してくれる、そんなイメージを保ち続けることがポイントのようだ。
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