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かっぱ寿司、最終黒字 “崖っぷち”のかっぱはよみがえるか:「食べ放題」攻勢も
「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトが18年3月期の連結業績を発表。減収なるも最終黒字に転換した。「食べ放題」などの施策はどのような結果を生んだのか。
“崖っぷち”のかっぱはよみがえるのか――。回転すしチェーン「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトが4月27日発表した2018年3月期(17年4月〜18年3月)の連結業績は、売上高787億2800万円(前年比0.9%減)、営業利益3億7800万円(前年同期は5億2400万円の赤字)、最終利益8億1000万円(同58億700万円の赤字)と黒字に転換した。
「スシロー」や「くら寿司」などに追い抜かれ、大手チェーンの中で“1人負け”状態にあったかっぱ寿司。客を取り戻すため、さまざまな施策を打った。店舗改装やロゴの変更を行い、ブランドイメージの改善を図った。17年11月に始めた期間限定の「食べ放題」は話題となり、2月からは全店舗実施に拡大した。店舗オペレーションの改善にも力を入れた。
新規獲得を狙った1年だったが、天候不順などもあり、回転すし事業の売上高は666億6400万円(前年同期比1.4%減)と減収。食材価格の高騰などが響き、連結の最終利益も予想の13億円には届かなかった。しかし「店舗オペレーションを見直し、食品廃棄ロスの減少とシフトコントロールによる人件費の適正化を行った結果、収益が改善し、利益増加の要因となった」と一定の成果があったと見る。
19年3月期は、連結売上高815億円、経常利益17億円、純利益7億円を見込む。
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