ドコモ、17年度は増収増益 「dポイント会員」強化でさらなる成長へ:通信・決済ともに好調(1/2 ページ)
NTTドコモの2018年3月期(17年4月〜18年3月)の連結業績は増収増益だった。通信事業、スマートライフ事業がともに好調だった。今期は会員基盤の強化を進め、さらなる成長を目指す。
NTTドコモが4月27日発表した2018年3月期(17年4月〜18年3月)の連結業績は、売上高が4兆7694億円(前期比4.0%増)、営業利益が9733億円(同3.0%増)、最終利益が74億円(同14.1%増)と増収増益だった。
通信事業は「ドコモ光」など好調
セグメント別では、通信事業の売上高は3兆8984億円(5.0%増)、営業利益は8328億円(横ばい)。「ドコモ光」の加入者数が前期比1.4倍の476万契約に増え、約956億円の増収につながった。
モバイル向け通信サービスでは、家族内通話が無料になる「シンプルプラン」、長期ユーザー向けの優遇プラン「docomo with」などを相次いで投入した効果により、契約数が2%増の7637万契約に増えた。同サービスの好調による増収額は572億円。吉澤和弘社長は「今後もお客さま還元を続け、解約を防止していきたい」と話した。
一方、光通信のネットワーク関連費用がかさんだため営業利益は横ばいとなった。
「dポイント」など堅調に推移
金融・決済などスマートライフ事業の売上高は4667億円(7.0%減)と減収だったが、グループ企業「D2C」の収益・費用を純額での計上に変更した影響。営業利益は629億円(8.6%増)に伸びた。
マツモトキヨシホールディングス(HD)と業務提携して「dポイント」の利用可能店舗を増やした効果などにより、「dポイントクラブ」会員数は6.9%増の6560万契約に拡大。「dポイント」利用可能店舗は2.6倍の約3万4100店舗に増えた。
金融・決済サービスの取扱高は21.5%増の3兆1700億円に上ったほか、「dカード」の契約数は7.1%増の1893万契約となった。
外部のパートナー企業にドコモの決済サービスなどを提供し、ビジネスを拡大する施策「+d」のパートナー数は2倍弱の468社に拡大。吉澤社長は「今後も他社とコラボした上で、クリエーションを加速させたい」と話した。
「dポイント会員」軸に今期も成長へ
19年3月期の連携業績予想は、売上高が4兆7900億円(0.7%増)、営業利益が9900億円(0.3%増)、最終利益は69億5000万円(6.0%減)を見込む。
吉澤社長は今期の展望について「(営業)増益を維持しつつも次なる成長に向けて経営資源を投入する」とし、具体的な方針として「『dポイントクラブ』会員を軸とした事業基盤を強化する。AI(人工知能)エージェントなどの新サービスも始める」と語った。
会員数の数値目標については「秋に発表する」、AIエージェントの詳細については「近日発表する」と話すにとどまった。
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